オープン・スカイズ条約に基づく非武装の相互領空監視機(偵察機)OC-135B(Alex Beltyukov - RuSpotters Team, CC BY-SA 3.0 GFDL 1.2, via Wikimedia Commons)

  脱退を発表した半年後の11月22日、米国はロシアなどと30年近く締結していた「オープンスカイズ条約」から正式に脱退した。 オープンスカイズ条約とは、米国とNATO諸国、ロシアと東欧諸国との間で1992年に調印され、2002年に発効した、軍事的透明性と軍備管理検査を保障する条約である。契約国は全部で34カ国。

  同条約では脱退手続きに半年間の予告が必要で、米国務省は今年5月22日に脱退届を締約国に提出している。

 11月22日、米国務省副報道官のカイル・ブラウン氏の声明によると、米国がオープンスカイズ条約からの脱退を通告してから半年が経過し、米国は同条約から正式に脱退したことが明らかになった。

 条約の下では、締約国は理解と信頼を促進するために、互いの領土に対して「非武装の空中偵察」を行うことができる。 これまでに、両当事者は1500回以上の航空偵察作戦を実施しており、米国とロシアはそれぞれ年間42回の相手国領土上空の航空偵察作戦を実施している。

 ホワイトハウス国家安全保障顧問を務めるロバート・オブライエン氏は「ロシアが米国や同盟国の偵察機による一部地域上空の偵察を禁止しているにもかかわらず、米民間施設やホワイトハウス、キャンプ・デイビッド、トランプ大統領が頻繁に訪れるゴルフ場などの上空を偵察し、組織的に条約に違反している」と述べた。

 国防総省当局者は、ロシアが約束を履行しない場合、ロシアが条約の当事者であり続けることは、もはや米国にとって最善の利益ではないとする声明を発表している。

 また、一部の連邦議員は「米国が宇宙で絶対的なリードを持ち、高度な偵察衛星を宇宙で使用して情報を収集できるようになったことは、同条約の範囲を超えており、同条約は米国の利益を犠牲にしてロシアに利益をもたらしている」と主張し、脱退を促している。

(看中国記者・程雯/翻訳・北条)