発言している閻麗夢博士(左)(イメージ:YouTube動画スクリーンショット)

 7月29日から31日まで、YouTubeチャンネル「ヒマラヤ国際ワークステーション」は、閻麗夢(閆麗夢、えん・れいむ)博士に関する動画を立て続けに公開した。動画の中で閻麗夢博士は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)は中国軍が獲得した「舟山コウモリコロナウイルス」を遺伝子操作で改造し、さらにこれを反復継続して実験動物に感染させることで得られたものだと主張した。自然界であれば数十年数百年かかるウイルスの変異を、中国共産党の実験室は短期間で行ったのである。

共産党の研究所で行われた実験

 中国共産党の研究所で行われていた実験は生物学的に「機能獲得実験(gain-of-function)」と呼ばれている。ウイルスの機能獲得実験とは、特定の機能を備えたウイルスを人工的に培養することである。実験体に接種されたウイルスの中から目的に合致した突然変異体を選別し、ほかの実験体に接種する。そして変異したウイルスを再び選別して、新たな実験体に接種する。この「選別と接種」のサイクルを繰り返すことで、予測できないほどの新しい機能を備えたウイルスをたくさん獲得することができる。

 実はこの機能獲得実験は、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の所長アンソニー・スティーヴン・ファウチ(Anthony Stephen Fauci)博士による援助のもと行われていた。ファウチ博士は中国科学院武漢ウイルス研究所に巨額の資金(370万ドル)を提供し、石正麗氏のチームをサポートしていたと、複数のメディアが報じている。ファウチ博士は1984年から国立研究所の所長を務め、6代の大統領の顧問を務めた人物でもある。

中国共産党の欺瞞

 中国共産党は今年1月12日、国際データベースにウイルスの遺伝子情報(ゲノム情報)を提供した。しかし翌日(13日)にタイ王国の感染者から取ったウイルスの遺伝子情報が公開されると、中国共産党は14日にデータベースにアップしたウイルスの遺伝子情報を入れ替えた。この一連の操作をからは、中国共産党が意図的にウイルスの遺伝子情報を隠ぺいしようとし、隠し通せないとわかると、今度はこっそり本物をアップしたのだと考えられている。

 今年1月に新型コロナウイルスの情報を内部告発したのも閻麗夢博士だ。彼女は中国の内部告発者たちのYouTubeチャンネルを通じて、中国共産党が意図的に真実を隠していることを暴露した。これを受けて、武漢ウイルス研究所の上級研究員・石正麗氏は「ネイチャー」誌に反論となるような論文を投稿した。2月3日に発表されたこの論文において、石正麗氏は、新型コロナウイルスはコウモリのコロナウイルス「RaTG 13」に由来するものであり、自然界で発見された天然ウイルスであると主張した。

 これに対し、閻麗夢博士は近日の動画で、このウィルスは偽造されたウイルスであると主張。実験室で人工的にこのようなウイルスを作れることを示す実験手順を公開するとした。

 このいわゆる自然界に存在するウイルスRaTG 13によって、中国共産党は人々の注目をそらすことに成功した。大手メディアはこぞってコウモリ由来のウイルスだと報道した。その過程で、中国共産党は科学界とWHOを全面的にコントロールして中国共産党を擁護させた。新型コロナウイルスはコウモリのウイルスであるという結論に疑問を呈する科学者も一定数いた。しかし閻麗夢博士によると、科学界は中国共産党に浸透されているため、彼らの論文は発表されることはない。

 一番有名なケースは、インド人科学者が1月31日に投稿した論文が却下されたことだ。インド人科学者は新型コロナウイルスの中にエイズウイルスのような挿入物(アミノ酸配列)を発見した。そのような挿入物はほかのコロナウイルスの中に存在していない。彼らは、新型コロナウイルスが人工的に設計されたものであり、「偶然ではない」かもしれないと示唆した。しかし、多くの研究者の圧力を受けて、この論文は却下された。

インド人科学者が1月31日に投稿した論文が却下された(イメージ:bioRxivウェブページのスクリーンショット)

 また、閻麗夢博士は、中共ウイルスの研究はワクチン開発が目的であるという中国の主張も否定した。彼女は、もしワクチン開発が目的ならば、これほど多くの危険な病気の要因を1つのウイルスに集中させることはないとはっきり述べた。

 スティーブン・バノン氏は、閻麗夢博士から中国共産党が中国国民を抑圧する手口を知り、「(これは)21世紀の戦争だ。自由のための戦争だ。アメリカ国民が自由を獲得する唯一の方法は、中国国民の自由獲得を手助けをすることである。これは共産党の統治レジームであり、中国共産党はこのように14億の中国国民を抑圧してきた。同じ手口で彼らは全世界のエリートと結託してアメリカ国民を抑圧し、最終的にアメリカ国民の自由を剥奪するだろう」と感慨して述べた。

YouTubeチャンネル「ヒマラヤ国際ワークステーション」の動画:

(看中国記者・黎宜明/翻訳・藍彧)