三峡ダム(YouTube スクリーンショット)

 6月以降、中国南部で大雨が降り続け、洪水、土砂崩れ、その他の災害が頻発している。三峡ダムの洪水制御への圧力が急上昇。いくつかの国内メディアの報道によると、三峡ダムの水位は上昇し続けており、危険水位を2メートル近く超えていることが明らかになった。

 中国国務院は11日の記者会見で、中国が全面的に雨期に入ったと述べた。現在累積降水量は前年同期より6%増加し、148の河川が警戒線を超える洪水となった。中国南部は6月2日以降、激しさ、持続さともに最大かつ広範囲な降雨が継続し、歴史的記録を超える洪水となった川もある。

 中国中央テレビ局(CCTV)経済番組21日の報道によると、三峡ダムの水位は上昇し続けており、20日の三峡ダムの流入量は26,500立方メートル/秒になり、19日より6000立方メートル/秒増した。現在、三峡ダムの水位は147メートル近くで、危険水位を2メートル近く超えた。

 中国中央気象局のウェブサイトによる最新の予測では21日から25日にかけて中国南部の広範囲で大雨が降る見込みとなっている。

 6月17日、多くのネットユーザーが、中国の有名な専門家である黄小坤によると言われている警告をツイートした。「宜昌市の下流に住む人々は早く逃げろ、最後の警告だ!」

 18日に、ドイツに住む三峡ダムに詳しい有名な専門家王維洛博士が大紀元時報のインタビューを受けた際、「黄小坤が三峡ダムの下流に住む人は逃げるように提案したが、どこへ逃げるのだ。長江の下流は中国の人口密集地域であり、逃げ場がないのだ」と話した。

 王維洛博士は三峡ダムに問題が発生した場合、その結果は悲惨なものになると述べた。彼は以前三峡ダムの模擬分析に関するビデオによると、真っ先に影響を受けるのが宜昌市で、次が岳陽市と武漢市、最後が上海市で、これらすべて中国経済の中で最も発展しているところだという。

 中国の教育家である聶聖哲教授と北京大学の賀衛方教授がウィーチャットで現在の三峡ダム問題がすでにかなり深刻であることを話した。

 賀衛方教授は「聶教授、今は本当にもっと多くの人々が発言すべきだ。おそらく政府の人々もそう思うだろう」と言った。

 聶聖哲教授は「四川大学の水力発電学科のほとんどの卒業生が三峡ダムに勤めているが、彼らはもう何をすべきかわからないと言っていた。爆発させるにしても、取り壊すにしても手のつけようがなく、メンテナンスもどうしたらいいか途方に暮れている。非常に緊急な事態だ。毎日パニック状態にある。」と返信した。

(翻訳・北条)