2014年1月21日、横須賀基地の巡洋艦を視察するルビオ(イメージ:Wikimedia Commons パブリック・ドメイン)

 台湾の蔡英文氏は総選挙において中華民国史上最多得票数で総統に選出され、水曜日(20日)に就任式を行った。米マルコ・ルビオ上院議員とポンぺオ国務長官はそれぞれ蔡英文総統の再選を祝った。ルビオ上院議員は、中国共産党による台湾進攻は米中軍事衝突につながりかねないとして北京に警告を出し、ポンぺオ国務長官は台湾の民主政を称賛した。

台湾進攻は武力衝突に発展する=ルビオ上院議員

 ルビオ上院議員は一貫して台湾を支持してきた人物だ。ボイス・オブ・アメリカの取材を受けた際、ルビオ上院議員は「北京が常に台湾に対し軍事的圧力をかけているのは尋常ではないことだ」とし、「軍事介入が行われれば非常に驚く」と話した。

 「しかし、彼ら(中国共産党)が台湾を何らかの形で占領しようとしていることは、すでにはっきりしている」とルビオ上院議員は述べる。「しかし、それが彼らが取ろうとしている選択肢ではないことを望んでいる。これは災難的な事件になりうる。最終的に米国との武力衝突を招くだろう。なぜなら、米国は台湾の安全保障を約束しているからだ。」

ポンぺオ長官も祝福

 米国のポンペイオ国務長官は19日夜、蔡英文総統の再選を祝う声明を発表した。「蔡英文博士が台湾総統の2期目の任期を始めるにあたり、私は彼女に祝賀の意を表したい。彼女は圧倒的な強さで再選され、台湾国民の尊敬、賞賛、信頼を得た。台湾の活力ある民主政体を率いる際に見せた勇気と見識は、全世界を鼓舞した」という祝福の内容だ。

 ポンペイオ氏はツイッターでも、「台湾の活力に満ちた民主主義は、この地域、ひいては世界への啓発だ。蔡総統の下で、我々(米国)と台湾の関係は引き続き発展するだろう」と述べた。

 一方、中国共産党の機関紙『人民日報』の姉妹紙である『環球時報』は20日未明、台湾を恐喝する社説を発表した。北京には「台湾当局に圧力をかけ、台湾に対する主権を主張するための無数の手段」があるとしたうえで、軍事、外交、経済のいずれにおいても戦略的な主導権を握る方法があることを強調した。そして米中関係と台湾海峡情勢が「一つの中国」原則と衝突する場合、現状に対する変更を行う可能性があり、「大陸は消耗戦をもいとわない」と述べた。

(翻訳・柳生和樹)