ニューヨークで設立された神韻芸術団の20年の歩みを紹介する「神韻作品ポスター展」が、10月から12月にかけて、東京・埼玉・神奈川の8会場で巡回開催されている。入場は無料。会場には、歴代の日本公演ポスターや舞台を題材にした絵画作品が並ぶほか、公演チラシやカレンダー、はがきなどの関連資料、大型モニターで紹介する公演映像も楽しめる。本記事では、数多くの展示作品の中から一部を取り上げ、写真とともにテーマ別に紹介する。
展示のテーマ――「歴史を紡ぐ絵画―時空を超えた伝統美」

会場入口のパネルには、本展のテーマ「歴史を紡ぐ絵画―時空を超えた伝統美 神韻が歩んだ二十年の軌跡」が掲げられている。神韻は「五千年の神伝文化」の復興を理念に掲げ、中国古典舞踊を中心に、音楽や舞台演出を融合させながら、20年にわたって伝統文化の美と精神を表現してきた。華やかな衣装をまとった舞踊家たち、壮大なデジタル背景、オリジナル音楽が一体となり、神話や伝説、歴代王朝の物語を舞台によみがえらせている。
一、神話と天上の世界
月宮にて嫦娥に会う・新(2019)

中秋の名月の夜、唐の太宗が月の女神・嫦娥(じょうが)に招かれ、月の宮殿を訪れたという伝説を描く。澄んだ風と月光のなか、仙女たちが優雅な舞で皇帝を迎える、夢のような歓迎の場面だ。
蓮の仙女(2017)

瑞雲が空を満たし、龍のように長い橋が架かる天上の世界。雲海に囲まれた池には、無数の蓮が咲き誇る。天上の音楽に導かれて現れた蓮の仙女たちは軽やかに舞い、清らかで気高い美しさと幸福の訪れを感じさせる。
仏の慈悲が光を放つ(2025)

長い歳月、さまざまな民族の人々が神仏の帰りを待ち望んできたという世界観を描く。心の善良さを守ることが創世主の救いにつながり、災難や試練を越えて新しい時代へ歩んでいける――そんな願いが込められている。
済度の幕開け(2024)

光り輝く天上に神々が集うと、黄金の馬車に乗った創世主が現れ、「私とともに地上へ降り、すべての生命を救おう」と呼びかける。神々はそれに応えて人間の世界へ向かい、皇帝や宮廷の女性、兵士など、さまざまな役割を担って中国五千年の文明を築いていく。壮大な物語の始まりを告げる一枚だ。
二、伝説と物語の一場面
善の報い(2024)

主人公は、友人との遊びに夢中になり、勉強が身につかず父親を心配させている若者。しかし、彼は優しい心の持ち主だった。ある日の何気ない親切が思わぬ幸運を呼び、龍の宮殿での不思議な出会いへとつながっていく。小さな善行が人生を変える、伝説の一場面である。
絵を眺め画境に入る(2019)

中国の伝統絵画は、細部の描写よりも、作品に表れた画家の情緒や心境を重んじる。ある少女が一幅の絵に見入っていると、画中では人生の意味を探る若い学者たちが、その思いを詩に託していた。
少年志満懐(若者の青雲の志は胸に満ち)
崇尚棟梁才(国の棟梁たる才能を崇める)
栄名帰故里(栄達して故郷に錦を飾ろう)
詩が未完であることに気づいた少女は、最後の一行を書き添える。
此生為何来(人生は何の為にあるのか)
三、宮廷の雅(みやび)
麗しき唐の気品(2018)

唐王朝の宮廷で、ふわりと広がる華やかな衣をまとった女性たちが舞う。澄んだ瞳と花のような顔立ち、しなやかな動きには宮廷女性の気品が漂い、風にひるがえる袖が、繁栄を極めた唐の優雅さと壮麗さを映し出す。
唐の宮廷の淑女たち(2014)

唐王朝の宮廷を舞台に、華やかな衣装をまとった女性たちが舞う姿を描く。黄金色の裾と幅広の長い袖がゆったりとひるがえり、堂々とした身のこなしに宮廷の気品がにじむ。唐代の豊かさが伝わる一枚だ。
麗しき灯籠の舞(2020)

賑わいの去った宮廷に静寂が戻る夜、石灯の光が小径を照らす。美しい旋律に導かれ、宮灯(宮廷用の提灯)を掲げて舞う淑女たち。点々と揺れる灯りが、夜空の向こうの亭(あずまや)と重なり、幻想的に輝く。左上に浮かぶ月の光(天の光)と、人が手にする宮灯の光という二つの光が重なり、静かな月夜のなかに、漢代をイメージした宮廷の優雅さが表現されている。
四、大地に息づく民族の舞
チベットの舞(2025)

青空を映す湖と雄大な峰々が広がるチベット高原。祈りの角笛が響くと、若者たちが集い、神への敬意を込めて力強く舞う。長い白い袖は、敬意と祝福を表す絹布「ハダ」をかたどったもの。天へ袖を振り上げる姿から、人々の深い信仰と喜びが伝わってくる。
イ族の舞(2025)

中国南西部の山々を舞台に、イ族の若い女性たちが心弾ませて踊る。生き生きとした腕の動きと軽やかな足さばきに合わせ、色鮮やかなスカートが大きく広がる様子は、谷あいに次々と花が咲くかのよう。自然とともに暮らす人々の明るくのびやかな表情が印象的だ。
結び――20年の歩みと感謝

展示の最後には、「時空を超えた美しき舞 失われた文化と精神のルーツを取り戻す――その願いが、神韻の舞台には込められています」という言葉が掲げられている。神韻はこの信念のもと、幾多の困難を乗り越えながら20年歩み続け、現在では年間約200都市で公演を行い、延べ1,100万人を超える観客を魅了してきた。
日本では、2007年の初公演以来、2027年の公演予定まで20年の歩みを重ねてきた。パネルには、これまで舞台を支えてきた人々と来場者への感謝とともに、今後も神韻の芸術と中国伝統文化の魅力を届けていくという決意がつづられている。会場ではInstagramのQRコードも掲示され、公演の最新情報が発信されている。
ここで紹介したのは、展示のごく一部にすぎない。ほかにも多くの作品が並ぶ会場で、神韻が描いてきた伝統美の世界を、ぜひ実際に味わってほしい。見て、聴いて、感じる神韻の世界。年末まで続く巡回展に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

今後の開催スケジュール(入場無料)
| 会期 | 会場 | 時間 |
|---|---|---|
| 11/16(月)〜11/20(金) | 豊洲シビックセンター ギャラリー | 9:00〜21:00(初日13:00〜/最終日〜19:00) |
| 11/21(土)〜11/24(火) | 与野本町コミュニティセンター 北ロビー(さいたま市) | 9:00〜21:00(初日13:00〜/最終日〜19:00) |
| 12/1(火)〜12/4(金) | としま区民センター エントランスホール | 9:00〜19:00 |
| 12/11(金)〜12/13(日) | さいたま市プラザノース ギャラリー2 | 10:00〜20:00(初日13:00〜/最終日〜18:00) |
| 12/22(火)〜12/28(月) | 横浜市栄区文化センターリリス ギャラリーA | 10:00〜17:00(初日13:00〜/最終日〜15:00) |
あわせてご案内
神韻日本公演2027は、2027年3月25日〜5月12日、関東・関西・中部・東北で開催予定。主催:一般社団法人 古典芸術振興会。チケット情報は ShenYun.com/JP まで。

