中国の経済状況が悪化し、失業率が上昇する中、多くの若者が「躺平」を選択するようになりました。このような背景の中、「青年養老院(若者の老人ホーム)」が中国各地で次々と登場しています。

 これらの「青年養老院」は伝統的な意味での老人ホームではなく、若者が「一時的な逃避、リフレッシュ、心身の癒し」を得る場所として提供されています。最近では、河南省鄭州、雲南省大理、シーサンパンナ、重慶、安徽省合肥、浙江省寧波などの郊外や農村地域で「青年養老院」が次々と出現しています。

 中国のネット上では、多くのカフェ、民宿、農場、バーが「青年養老院」をテーマにした革新的な取り組みを行い、多くの若者を引きつけています。これらの場所は若者によって作られ、ターゲットもまた若者です。

 中国メディアの報道によれば、「青年養老院」は実際には心の休息地であり、人々は一緒にお茶を飲んだり、会話をしたり、畑を耕したり、スリッパや部屋着を着て簡単な食事を楽しんだりします。これは、長期にわたって高いストレス状態にある若者にとって心をリラックスさせる場所を提供し、都市の喧騒と緊張から遠ざけるためのものです。

 最近、1993年生まれの東北出身の青年がSNSで「青年養老院」での日常生活をシェアしました。彼は、一か月わずか1700元(約3.7万円)でツインルームに滞在でき、定期的な掃除サービスもあり、電気代、水道代、インターネット代を気にする必要がなく、食事も美味しいと述べました。

 雲南省シーサンパンナにある「問巣・青年養老院」の創設者であるLuさんは、現在、「問巢」に入居するには月額1500元(約3.3万円)の宿泊費が必要であり、その他の費用は参加する活動に応じて自己負担であると紹介しました。

 Luさんの統計によれば、「青年養老院」の主要な顧客層は25歳以上の中青年であり、特に90年代生まれの人々が主なターゲットです。Luさんは、「ここに来る多くの人々は親に内緒で来ています」と述べました。

(翻訳・吉原木子)