人民元のデジタル化が進むにつれて、多くの中国の子供たちが1元などの小額紙幣を認識できなくなっています。

 中国メディア「光明日報」の報道によると、武漢市内のある小学校の数学の授業で、「人民元を知ろう」という課題を教えていた先生が、ほとんどの生徒が100元と50元の紙幣を見たことがあり、約半数の生徒が10元と20元の紙幣を認識できる一方で、半数以上の生徒が1元の紙幣を見たことがないことに気づきました。

 また、一部の保護者は、子供たちが「お金を稼ぐ際の辛さ」に対して基本的な認識がなく、「お金がなくなるわけがない、スキャンするだけで使えるのに」と思う子供もいると述べました。

 あるネットユーザーは、「子供の頃、親がポケットから取り出した紙幣を見ると、一目で彼らの経済状況が分かったものです。今では、私たちがスマホで支払いをする時、子供たちはスマホの中に無限のお金があると思っています」と述べました。

 中国人民銀行の統計によると、2023年末時点で中国のモバイル決済普及率は86%に達しました。モバイル決済の時代において、子供たちはますます実物のお金を認識できなくなっています。

 中国メディア「新聞晨報」は、現実の世界では、一万元(約21.5万円)は分厚い札束ですが、スマホの画面上ではただの数字であり、その感覚は全く異なります。青少年の成長過程において、お金に対する具体的な認識が不足していると、その潜在的な影響は無視できません。一部の子供たちが簡単に数千元から数万元をゲームに課金するのは、金銭感覚不足にあると指摘しました。

(翻訳・吉原木子)