中国では近年、5月20日に特別な意味が込められるようになりました。中国語の発音では、「520」が「我愛你(愛してる)」に似ているため、この日は特別なバレンタインデーとなっています。花や贈り物で気持ちを伝えるカップルが少なくありませんが、好きな人に告白する日という人も多いようです。

 しかし、告白はいつも成功するわけではありません。この日に幸福を手に入れ、好きな人と結ばれる人もいれば、告白が失敗して悲しく去る人もいます。その時、せっかく選んだプレゼントも本来の意味を失い、道端のゴミ箱に捨てられる確率が高くなります。こうして、これらのゴミ箱はプレゼントやお花でいっぱいの「大宝庫」になっています。

 この現象について、SNS上では多くのネットユーザーが「520のゴミ箱で儲かる秘訣」を議論しています。一部のネットユーザーは、前々年の520のゴミ箱で人生初の金を得たと述べました。さらに、もう一部のネットユーザーは「520ゴミ拾い攻略法」を共有しています。「まず、手袋とマスクを持参すること。手袋は細菌と直接接触するのを避けるためで、マスクは知り合いに会った時のための対策です。次に、大きな袋を準備すること。この日は捨てられる贈り物が想像以上に多いからです。場所の選定も重要で、高級な場所のゴミ箱が最適です。告白は通常、そうした場所で行われるため、そこでは『宝物』を見つける機会が高いのです。特に北京や上海のような超一流都市では、この日にゴミ拾いで儲かる可能性が高いです。最後に、できれば友人と一緒にゴミ拾いをすること。ひとりだと恥ずかしいかもしれませんが、友人と一緒ならば、恥ずかしさが大幅に減少します」

 そこで、多くのネットユーザーが520日にゴミ拾いに出かけた経験を共有しました。ゴミ箱で口紅や香水などのブランド化粧品を見つけた人がいれば、ケーキや花を見つけた人もいます。もちろん、ゴミ箱で「宝物」を見つけることができない人もいます。十数個のゴミ箱を探しても、最終的には手ぶらで帰ることもあります。これに対し、一部のネットユーザーは、今年のゴミ箱の「宝物」は過去の年よりもはるかに少なくなっています。以前は新品の携帯電話や金のネックレス、金の指輪を見つけたこともありましたが、今年は十数個のゴミ箱を探しても、ほとんどが花で、贈り物があってもケーキや口紅などばかりだとコメントしました。

 ネット上で520のゴミ拾いで儲かることについて、議論するネットユーザーは多いですが、大多数はただのジョークや暇つぶしです。実際には、この日にゴミ拾いで金持ちになることを本気で期待している人はいません。しかし、この日に大もうけを期待している多くの商人たちは、中国経済の下降の影響を実感しています。

 ネット上では、多くの花屋の店主が「今年の花の商売は本当に難しいです。例年の520は、店の売上が通常の数倍でしたが、今年は花を買う人が明らかに少ないです。皆恋愛をしていないのでしょうか?」と投稿しています。あるネットユーザーは、道端で花を売る人が多く、花の価格がかなり抑えられており、以前は一束百元だった花が、今では十数元にまで抑えられていると投稿しています。花き業界だけでなく、飲食店やホテルを経営している経営者からも、「今年の商売が非常に冷え込んでいる。かつて最も稼げた日でさえ利益が出ない」と嘆いています。

(翻訳・吉原木子)