新代表、SenseTimeの創設者タン・シャオウ(汤晓鸥)(ネット写真)

 中国共産党(以下、中共)当局はしばしば人民代表大会代表、政治協商会議委員の肩書きで民営企業家を抱き込み、買収している。現在はちょうど中共の「両会(全国人民代表大会、中国人民政治協商会議)」の会期に当たり、今年はまた政権交代の年でもあるため、どの民営企業家が両会に出席し、どの民営企業家が代表名簿から除外されたかが注目を集めている。

 中国の民間シンクタンクである「胡潤研究院」によると、今年両会に出席した富豪のうち、10億ドル(約1357億円)以上の資産を持つ人は81人いた。前回のリストと比べると、個人資産が10億ドル以上の企業家47人が人民代表大会の代表や政治協商会議委員に再任されていない。

 かつて隆盛を誇っていたインターネット業界は、もはや枯れてしまうことになる。テンセントの馬化騰(ば・かとう)氏、百度(バイドゥ)の李彦宏(り・げんこう)氏、京東(ジンドン)の劉強東(りゅう・きょうとう)氏が再任されなかった。また、恒大集団の許家印(きょ・かいん)氏、世茂集団の許栄茂(きょ・えいも)氏など、多くの大手不動産経営者も退場した。

 胡潤研究院の統計によると、代表・委員に再任された企業家らは人気のある業界の出身者か、生命力が強い民間企業の出身者だという。

 新たな代表や委員の多くは新エネルギー自動車、医薬品、人工知能など人気の高い業界出身であり、中共は彼らの力を借りて、EUやアメリカなど西側諸国に対する「追い越し」を実現したいと考えている。

(翻訳・吉原木子)