タイ・スバンナブー空港のチェックイン・カウンター階(Khaosaming, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 中国共産党当局の公式メディアによると、中国では1日当たり約24万人が出国しているという。多くの国は感染再拡大を懸念し、中国人観光客に対して規制措置を取っている。しかし、注目に値するのは、これまで中国人観光客に対する規制措置を取っていない国では、感染が深刻化の兆しが見られていない。

 中国の旅行予約サイト「Trip.com」が発表した「2023年春節旅行市場予測レポート」によると、中国人旅行客に人気の旅行先トップ10は、オーストラリア、タイ、日本、香港、マレーシア、米国、シンガポール、英国、マカオ、インドネシアとなっているという。このうち、中国の旧正月期間中のメルボルン(オーストラリア)旅行の予約数は前年同期比の50倍以上、バンコクは10倍以上増加したという。

 中国メディア11日の報道によると、中国人観光客のほぼ半数がタイに向かっているという。タイ・スワンナプーム空港の責任者は、1月16日から28日までの中国旧正月期間には、180万人の中国旅行客を迎える見込みだと、タイ紙「バンコック・ポスト」が報じた。

 タイ在住の中国人の駱さんは、「1月9日から中国人観光客が続々と来ている。タイ人も中国での感染拡大の怖さを知っていて、とても心配している。しかし、いまのところ、タイでは感染再拡大が起きていない。今回の感染拡大は中国だけで発生しているかもしれない」と述べた。

 また、グーグルで上記の旅行先トップ10及びイタリアの感染状況を検索すると、これらの国での感染が弱まっていることが分かる。

 マレーシア在住の謝さんは、「中国観光客の到来によるマレーシアでの感染再拡大の兆しがない」と述べた。また、ニュージーランド当局は16日、過去7日間の平均感染者数が前の2週間より減少していると発表した。

 中国本土では、新型コロナウイルスの感染率は80~90%に達したにもかかわらず、中国人観光客が外国(香港やマカオも含む)に来ても、これらの地域では感染再拡大が発生しないどころか、ほとんどが減少している。

 時事評論家の唐靖遠(とう・せいえん)氏は、「同じウイルスでも、中国では感染者数が爆発的に増加し、二次感染という重症も頻繁に出ている。しかし外国では全く別の状況になったのはなぜでしょうか。明らかに、ウイルスは標的を定めている」と述べた。

 時事評論家の王赫(おう・かく)氏は、「中国で現れた特別な現象の数々は、法輪功創始者である李洪志氏が指摘された、『今の「中共ウイルス(新型コロナウイルス)」のような疫病は目的と目標を定めています。中共ウイルスは邪党の党員、中共邪党の支持者を淘汰するためにやってきたのです』ということを何度も証明した」とコメントした。

(翻訳・吉原木子)