2009年のしし座流星群のピーク時の流星。(Navicore, CC BY 3.0 , via Wikimedia Commons)

 11月の天体イベントが続々登場。1ヶ月を通して日本全国で 「皆既月食」だけでなく、非常に珍しい月食中の天王星食もある。また、明るい惑星と月の接近や、1時間に200個以上の流星が見られるしし座流星群も出現する。

 11月8日(火)夜、日本全国で「皆既月食」が起こる。皆既月食は、月が地球の影に完全に隠されて、赤黒く変色した満月が見られる天体現象である。

 月食は全国どこでも同じタイミングに起こる。今回は月が地球の影の中心近くを通るため、皆既食の時間は比較的長くなる見込み。

 今回の月食では18時9分に満月が地球の影(本影)に入って月が欠け始める(部分食の開始)。その後、東の空を上っていく満月を地球の影が覆い、暗い部分が次第に広がっていく。そして部分食開始から約1時間10分後の19時17分に月全体が地球の影に入り、皆既食の状態となる。地球の影に最も深く月が入り込む食最大の19時59分をはさんで、約85分間、皆既状態が続く。20時42分に皆既食が終了すると、月は再び明るくなり、丸い形へと戻っていく。

 月食の最中に、月が天王星を隠す「天王星食」が起こる。小笠原諸島を除く日本の多くのエリアで見ることができる見込み。天王星食とは、惑星である天王星が月に隠される現象(正確には「天王星の掩蔽(えんぺい)」と表現する)。天王星食そのものは、地球全体で見ればそれほど珍しい現象ではないが、月食と同時に起こることはめったにない。

 11月の初旬には、月が土星と木星の近くを通過していく。月は1日から2日には土星に、4日から5日には木星に近づく。11月の終わりから12月の初めにかけて、再び月が土星と木星の近くを通過していく。29日夜には月と土星が、12月2日夜には月と木星が接近する。

 テンペルタットル彗星に関連するしし座流星群は、息をのむような流星の多い数で有名。このような流星嵐は約33年ごとに発生する。11月18日(金)8時頃に「しし座流星群」が活動の極大を迎える。一番の見頃は18日(金)未明から明け方である。

(翻訳・藍彧)