(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 劇場や映画館で映画を鑑賞することを趣味にしている方も多いでしょう。しかし、数多くある劇場には1つの共通点があります。それは、劇場の座席やカーテンがほとんど赤色であるということです。

 例えば、中国人の社会では、赤は慶事用で吉祥の色だと信じられているので、公共の場で赤が使用されることはそれほどおかしくないかもしれません。しかし、これは明らかに一番の理由ではなさそうですね。では、本当の理由は何でしょうか?

 実は、「赤」は科学的根拠に基づいて意図的に選ばれた色で、特別な機能を持っているのです。

 科学研究によると、人間の目の構造上、昼と夜で視覚を処理する方法が大きく異なります。暗い空間、つまり光源の少ない環境では、「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7色のうち、赤い光が一番最初に人の視界から見えなくなります。映画の前に明かりが消され、場内が暗くなると、座席の赤色は視界から素早く消えるので、映画の再生が始まると、観客は映画以外のものに邪魔されず、視線がすぐに映画に集中しやすくなります。

 暗闇では赤色に一番敏感ではないのに対し、日中では、人間の視覚は黄色に一番敏感になります。そのため、レインコートや注意標識などは大体黄色で、雨天でも見られやすく、事故を避けることができます。これは、異なる色に対する視覚処理の違いによるものでもあります。

 さて、ここまで読んでいただいたあなた。「へえー」と思いながら、この記事は本当なのかどうかを確かめるために、劇場に行ってみたいと思っていませんか?そこで、出発前にもう一つ、劇場で座席を選ぶコツについてお教えします。

 映画を見るのに最適な座席はどこでしょうか?

上海大劇院(helkonig, CC BY 3.0 , via Wikimedia Commons)

 映画を見るのに最適な場所は、真ん中であればあるほど良いと考えている人は多くいますね。実は、これは長年にわたる誤解なのです。劇場での最適な視聴座席は、真ん中ではありません。

 理由は簡単です。劇場や映画館では、後方中央にあるプロジェクターが光をスクリーンに投影し、反射させます。反射中の光路は通常の入射光路に逆行し、ちょうど真ん中の視聴者の目に当たるのです。これは、簡単な光の反射という原理を運用しています。しかし、一本の映画は短くても1時間半がかかります。このように長時間強い光の反射が続くと、人の目はとても疲れやすくなります。

 そのため、中央の座席を選ばずに、できるだけ中央から少し離れた座席をとりましょう。中央から少し離れた座席では、中央より音響の効果がもっとはっきりとするので、よりナチュラルな3D効果を体感できます。この座席選びのコツは、劇場の大きさやスクリーンのサイズに関係なく、共通して適用できるそうです。

 なお、字幕を読む習慣がある方は、列の右側に座るとより快適になります。

 座席の列の位置についてはできれば中央ではなく、最後列の列番の三分の二の座席を選ぶことが王道です。たとえば、座席が25列ある場合、16列目と17列目が第一候補です。スクリーンとの距離がプロジェクターとの距離の2倍ぐらいの座席が最適だと言われています。

 以上、劇場に関する「なぜ」と「コツ」をご紹介しました。お気に入りの作品を選び、お近くの劇場に行ってみてはいかがでしょうか?

(翻訳・宴楽)