8月29日に、人工降雨ロケットの薬莢(やっきょう)が市街地のある商店前の歩道に突然落下した。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 四川省では最近、高温・干ばつが長く続く地域が多く、干ばつを緩和するための人工降雨が各地で行われている。8月29日に、人工降雨ロケットの薬莢(やっきょう)が市街地のある商店前の歩道に突然落下した。ネット上の動画によると、この薬莢は市民からわずか1メートルしか離れていないところに落下、危うく歩行者に当たるところだった。

 店の監視カメラの映像では、8月29日午前10時ごろ、四川省広安市岳池県(がくちけん)で、赤いTシャツを着た男の子を連れている夫婦が、市街地の歩道を歩いていて、ある店の前を通りかかった際に、突然空から大きな柱状の物体が落下してきた様子が映っている。この物体の長さは目測で約1メートルで、細いロープや布状のものがついていた。この物体は三人家族の真後ろの地面に落下した。

 その後、多くの市民がこの柱状の物体をクローズアップして撮影した。物体には「降雨防雹ロケット、中天ロケット社」などの文字が書かれていたので、人工降雨用の薬莢と判断できた。

 人工降雨は、気象や降雨に人為的に干渉することで、地球規模の気候変動を悪化させる可能性があるとする意見が多く、常に議論を呼んでいる。

 アラブ首長国連邦では2019年に、少なくとも185回の人工降雨が行われ、同年末には稀な大雨と洪水が発生した。

 地域的な人工降雨が他の地域に影響を与えるという証拠はまだないが、大規模かつ持続的に行なうことで、数百マイル以内にいる人々、さらに近隣諸国の人々が、降水の変化の影響を受け、重要な降水を奪われる可能性があると、懸念している専門家もいる。

(翻訳・藍彧)