春分(Grace Hwu, CC BY 2.0, via flickr

 春分、昼と夜の長さがほぼ等しくなる日

 春分の日は、日本の国民の祝日の一つであり、中国では「二十四節気」の四つ目の節気です。通例では、西暦の毎年の3月20日から3月21日のいずれか1日で、今年(2022年)の春分の日は3月21日です。春分の日には、太陽黄経が0度となり、赤道上の人から見ると、太陽は正午に天頂を通過します。

 「春分」には二つの解釈があります。一つは、春分の日に、昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなる日とされます。例えば、『春秋繁露』の中に「春分とは、陰陽が相半ばする日である。故に、昼夜均しくなり、寒暑平(寒暑どちらへの片寄りもなく適温)になる①」の一節で記載されたように、「春分」の日には昼夜の長さが半々になる日です。もう一つは、「春を分ける」の意味から、90日間の春の中間日が春分の日となります。

 春分は南北両半球ともに、昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなります。この日を境に、太陽直下点が徐々に北に移動し、それに伴って南北両半球の昼夜の長さが変わっていきます。北半球では昼が長く、夜が短くなり、南半球ではその逆になります。そのため、北半球は穏やかな気候になるのです。たくさんの太陽の光と雨にも恵まれ、本当の意味での春がやってきます。

夏至と春分・秋分と冬至との関係(すじにくシチュー, CC0, via Wikimedia Commons)

 春分の日の健康管理

 春分の日には、昼夜が均しくなり、寒暖差も穏やかになります。この日に注意すべき問題は、「陰陽バランス」を考えた健康管理です。「陰陽バランス」を保つこととは、生命体を健康にする根本的条件であり、それを叶える秘法です。食生活の面、生活習慣や精神状態にも深く関係します。改善に向けてのセルフケア、医薬品の選択や使用方法においても幅広く適用させることができます。そして身体の声をよく聞きながら、急激な変化によるストレスを与えないようコントロールすることが、この時期は特に重要な鍵となるでしょう。

 春分の日に「卵立て」

 毎年、春分の日には、世界中の人々が「卵立て」を試します。この中国の古くからの習慣は、いつの間にか世界規模のゲームのようになっています。

 「卵立て」のやり方はとても簡単です。生後4、5日目の滑らかで均整のとれた新鮮な卵を、テーブルの上にそっと立てて置きます。それだけです。

 失敗する人は少なくありませんが、うまく立てた人がかなり多くいます。失敗しても「あれー?」と思い、何回も繰り返して試すことが、このゲームの醍醐味になります。やっと立てた!と成功したら、次の卵も立てようと、やがて立てた卵の個数を競うゲームにも繋がるのです。

 この簡単で面白い「伝統行事」は、春分の日ならではの盛り上がりを見せます。「春分の日を迎えると、たまごも美しくなる②」と中国で言われるように、頑張って立てた卵(たち)は、どこか誇らしく見えてくるかもしれませんね。

 なぜ春分の日に「卵立て」を?

 春分の日に「卵立て」は成功しやすいと言いますが、その原因に諸説があります。

 まず、南北両半球ともに、昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなる春分の日には、地軸が太陽に対して垂直になり、相対的に力が均衡的になるので、「卵立て」をするのに有利な状態になると言われます。

 そして、春の中間日であるため、寒すぎず暑すぎない適温です。この春分の日の心地良さを満喫する人々も、ゆったりとした気持ちになり、脳と手もキビキビと動くので、「卵立て」は成功しやすいとも言われます。

 しかし、最も重要な理由は、卵の表面の凹凸です。滑らかに見える卵の表面に、実は多くの「山」が存在します。0.03ミリほど高い「山」、その「山頂」間の距離は0.5~0.8ミリです。3つの点が三角形を作り、平面を作る原理により、卵の表面に3つの「山」とそれが作る三角形を見つけ、卵の重力線がその三角形を通るようにすれば、卵が自然と立つようになります。

 そのほか、生後4、5日目の新鮮な卵が好ましいです。これは、このような卵はカラザが緩み、黄身が沈んで卵の重心が下がり、卵が直立しやすくなるためです。

 国民の祝日の一つである「春分の日」。陰陽バランスを心がけ、ゆっくり休むのも良いですね。ちょうどこの日に家でのんびり休んでいるあなた、冷蔵庫にある卵をテーブルに立ててみませんか?

 中国語原文:
 ①春分者,陰陽相半也,故晝夜均而寒暑平。(『春秋繁露・陰陽出入上下』より)
 ②春分到,蛋兒俏。

(翻訳・常夏)