子供を授かった人なら誰でも、我が子の早い発達を目にしたいと思っていることでしょう。しかし、発達科学を理解している人はどれほどいるでしょうか。

子供の発達の段階に対する理解を深めるため、「ゲセルインスティチュート」は、幼児の成長パターンについて大規模な研究を行いました。同研究は、親が子供の人格形成に貢献できることを示唆しています。

1「安全の感覚」
1才までの幼児は毎日が大変です。親は赤ちゃんと一緒に過ごすことに 可能な限りの時間を費やさなければいけません。しかし、こうした行為こそが幼児期の信頼感と幸福感を養います。

2「情緒の感覚」
この時期に情緒を養うことで、子供の感じの良さが育まれます。両親は子供の好奇心に注意を払い、愉快な気持ちにさせましょう。子供の頃に身につけた情緒は心の苦痛を和らげ、その後の人生においても受け継がれていきます。

3クリエイティビティ
子供の創造性は3才頃から発達を始めます。正しい環境に置かれさえすれば、好奇心は発達していき、やがて大きなポテンシャルを持つようになります。そのためには、お話を作らせたり、絵を描かせたり、粘土で遊ばせることが効果的であると言われています。また、子供に植物の世話をさせたり、小動物の散歩をさせたりすることも創造性を豊かにします。

4言語と表現
4才の子供はお喋り好きです。しかし、子供が間違った言葉遣いをしても、それを指摘したり笑ったりしないよう気を付けてください。間違ったことを言うことを恐れるようになる可能性があるためです。両親は子供が言ったことを正しく言い直してもよいですが、間違いを強調することは避けましょう。また、 この時期の子供はよく質問をします。何百回も何千回も「なぜ?」と言うでしょう。これは子供達の学習意欲が高まっているためで、楽しくてやっているのです。大事なことは、子供が知識を欲しているなら、それを与えてあげることです。

5両親との関係
5才になると、子供は振る舞いをコントロールし、他人に優しくできるようになります。子供が母を最も好きになるのはこの時期で、さらに母を幸せにしたいという感情が芽生えます。そのため、子供に対する母の言葉は絶対的なものとなり、母から褒められることが子供にとって重要なことになるのです。また、子供に対してすぐに反応しなければ怒り出すこともあります。この時期は素早い反応が非常に重要です。

6対立
この時期になると子供と母親の対立が見られるようになります。5才の時、子供にとって母親は世界の中心でしたが、6才になると世界の中心は自分自身になります。母の愛を必要する一方で、自立を志向し、母を押しのけることすらあります。これこそがこの時期の難しさです。父親が親子の釣り合いを取ることが重要です。

7抽象的思考
7才になると抽象的思考能力が発達し始め、モノとモノの違い、またそれらの類似点に着目できるようになります。例えば、ある容器の形が変わっても、中身の量は変化しない、などといった事です。

8思考能力がさらに活発に
8才になった子供は多くの事を考えるようになります。思考能力と言語力は完全に発達し、簡単な理屈を発想して答えを導き出す能力を身につけます。

子供にとって、自身の能力向上は当然の事です。最初は、子供に両親の考えを当てはめてはいけません。発達の段階はそれぞれの子供ごとに異なりますので、それぞれの段階・能力に応じた教育を行うことこそが最も重要です。

 

(翻訳・今野秀樹)