遼寧省大連駅の南側にある高層ビル(Liuxingy, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 中国経済はコロナ禍で不況に陥って、多くの地域で住宅価格が大幅に下落し、住宅を手放す人が増えている。

 借入金の返済ができないなどの理由で、銀行が差し押さえて強制売却する競売物件が増えているのだ。新型コロナウイルスは住宅ローンを組んでマイホームを購入した中国の一般家庭をも直撃している。 

 中国メディアの報道によると、河北省三河市燕郊鎮の住宅所有者が、2017年に約5300万円(300万元)の価格で、ローンを組んで住宅を購入した。しかし、今年になり、商売不振で住宅ローンのの支払いが滞り、自宅は裁判所から約1600万円(90万元)あまりの価格で競売にかけられた。競売のお金を銀行に返済した後も、約1780万円(100万元)以上の借金が残っている。それまでの頭金と月々の支払いで、約4450万円(250万元)を損失し、結局何も手に入らなかったのである。

 同報道によると、この住宅所有者のケースは孤立したものではなく、燕郊鎮では最近、差し押さえ物件が大幅に増加しているという。

 燕郊鎮の住宅価格はほぼ半分くらい落下している。投資用としてローンを組んで不動産を購入した多くの人にとって、今所有している不動産はすでに「負の資産」となってしまっている。 物件を維持するために必要な住宅ローンの支払い総額が、現在の物件価値を大きく上回っている。

 全国的に住宅価格が下落している中、住宅ローンの返済が出来なくなる現象は燕郊鎮だけではない。

 北京周辺の河北省張家口市で最近、多くの住宅購入者が住宅ローンの支払いを打ち切ったという噂がインターネット上で話題となっている。チャット記録によると、張家口市の住宅価格は50%も落下し、1平方メートルあたり約21万円(1.2万元)の高値で購入した物件が1平方メートルあたり約10万円 (6000元)でも売れなくなり、多くの住宅所有者が率先して住宅ローンを打ち切ったということである。 ある住宅所有者によると、彼の建物では十数世帯が住宅ローンの支払いを打ち切ったと明らかにした。

 中国には4.2億の世帯があるといわれるが、多くの世帯が「いつかは大都市のように値が上がる」と期待して住宅を購入した。今や中国の持ち家率は89.68%(日本は約60%)だというが、このコロナ禍で、一部のサラリーマンや事業者は職や事業を失い、住宅ローンの返済が滞るという厳しい局面に立たされている。中国における個人向け住宅ローン残高は、2020年8月末で約448兆円(28兆元)、ローン契約者数は7000万人に上っている。

 評論家の何旭(か・きょく)氏は希望之声の取材に対して、全国の住宅価格が4ヶ月連続で下落し、多くの地方政府が不動産の「値下げ禁止令(限跌(げんてつ)令)」を相次いで出していることから、住宅価格が急落し始め、市場がパニックに陥っていることは明らかであると述べた。

(翻訳・吉原木子)