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 中国の失業問題はこのほど、深刻さを増しています。その原因は経済の悪化と教育構造に問題があると言われています。

 今年、中国の教員養成学校の入試合格ラインは、多くの名門校を超え、トップ校の清華大学や北京大学にまで迫りました。 その理由としては、中共ウイルスのパンデミックが続くなか、中国経済が悪化し続け、多くの業界で大規模な解雇が相次ぎ、卒業生がこれまでにない就職難に直面していることが挙げられます。 そのため、比較的安定する教員職が人気を集めています。

 李克強首相は、今年5月と7月に行われた国務院常務会議で、中国の「柔軟な雇用」の人数が「2億人以上」に増加したと述べ、正規労働者ではない人が増え続けているというのです。北京大学が昨年6月下旬に実施したオンライン調査によると、中国の失業率は公式発表の5%を大きく上回る20%前後で、非常に深刻です。

 中国教育部は中国の2021年度大学卒業者が909万人いると発表した後、中国の網易(ネットイース)は、909万人の新卒は、その半数が失業に直面すると報じました。 近年、修士・博士号取得者も理想の仕事に就くことが難しくなってきています。留学して修士を取得して帰国した清華大学の卒業生がお手伝いさんになるなど、今までの人々の認識を覆しました。

 最近、河南省のたばこ工場の組み立てラインに採用された労働者の30%以上が修士号を取得しており、その多くが、国が重点的に投資してきた重要な大学の卒業生であると中国メディアが報じました。

 このように失業が深刻化している一方で、多くの中国企業は技能を持つ労働者の確保に苦労しており、熟練労働者の確保においてはさらに苦労しているという不思議な現象が起きています。 政府の公式統計によると、約2000万人の熟練労働者が不足しています。

 その原因について、労働者の権利に関心のある学者・劉氏は「職業訓練学校や専門学校では、技術を身につけることができない」と明かし、学校が工場とグルになって、学生を賃金の安い働き手として工場に送り込み 、技術を教えないため、そのやり方に問題があるようです。 また、「一般的な教養学部が余っていて、高等職業技術教育における実践的な教育が不足しているという不合理な教育構造が失業率をさらに深刻にしてしまった」と指摘しました。

(新時代Newsより転載)