(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国は7月20日に、江蘇省南京市の国際空港から新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の感染が各地に拡散している。7月31日だけで8つの省に広がり、中国には現在、80の中・高リスクエリアがある。感染拡大の状況は深刻で、ほぼ制御できないという中国メディアもある。

 中国メディアによると、最近10日間にこの関連の新規感染者は北京市など8省市で200人を超えており、いずれもデルタ株とみられるという。

 中国国家衛生健康委員会は1日に公式サイトで、7月31日の0時から24時までに、中国の31の省(自治区・直轄市)と新疆生産建設兵団から、75例の新規感染者が確認されたと発表した。そのうち、海外の入国者から確認された22例を除くと、江蘇省30例、河南省12例、湖南省4例、雲南省3例、福建省1例、山東省1例、湖北省1例、寧夏回族自治区1例の計53例は国内感染者である。

 中国当局は、一貫して実際のデータを隠しているため、外界は公式発表よりもはるかに深刻になっているではないかと疑問視されている。

 中国メディアの報道によると、今回の感染は江蘇省南京市の国際空港から始まったという。同空港では7月20日、機内清掃員の感染が確認された。南京市は7月30日、清掃員は7月10日にロシアからの便で到着した乗客から感染した可能性が高いと発表。清掃員は約10日にわたって機内清掃などの業務を継続しており、空港での防疫措置が不十分だったため、拡散した可能性があるとしている。

 同空港から観光地の湖南省張家界を訪れた旅行客を介しても感染が広がったため、湖南省当局は7月30日から当面、観光地を閉鎖した。22日にショーを鑑賞していた客の間で感染が広がったとみられている。当時、観客は2000人以上で座席に間隔は取られておらず、マスクをしていなかった客も多かったという。

 中国最大のビジネス・クロスメディアの「第一財経(YICAI)」は1日、南京市での感染が、江蘇省、四川省、広東省、安徽省、遼寧省、北京市、湖南省、寧夏回族自治区、湖北省、山東省、海南省、計11省(26都市)に拡大していると報じた。南京市の感染は現在、303人に達している。

 情報筋によると、7月31日午後7時まで、全国の中・高リスクエリアは80カ所に上り、そのうち江蘇省南京市、河南省鄭州市、雲南省德宏タイ族チンポー族自治州の3カ所が、高リスク地域となっている。北京市は、ほかの感染地域からの人々の上京を禁止し、感染地域から北京行きの航空便、電車、バスを一時的に停止した。

(翻訳・徳永木里子)