2024年に入っても、中国の経済は依然として低迷している状態です。報道によると、1~3月だけで、10軒以上の老舗百貨店が閉店を発表したといいます。また、ネット上では工場、百貨店、レストランが次々と倒産する情報が溢れています。これらの職場がなくなるにつれて、失業率の悪化は避けられないようで、多くの中国の家庭にとっては重大なダメージです。
特に、多くの一流大学を卒業した高学歴の人々にとって、直面している就職の挑戦は非常に厳しいものです。この世代は、「学ぶことは運命を変える鍵である」と教えられ、学歴を成功への唯一の道と見なしてきました。しかし、現実は残酷で、多くの人々が高学歴であっても、満足のいく仕事が見つからないことが分かるようになりました。このような状況の下、多くの若者は裏切られたと感じ、自分の努力が無駄になったと感じています。
「学ぶことは運命を変える鍵である」という言葉は、現在の中国人に深い影響を与えており、多くの社会的地位を追求する人々の信念になっています。過去数十年にわたり、教育は確かに多くの貧困家庭の子どもたちを貧困から救い出し、社会的地位を飛躍させることができました。例えば、40年前には高卒生が県の誇りでした。30年前には一人の学生が家族を連れて一線級都市で安定した生活を築くことができました。しかし、時間が経つにつれて、教育のリターンは徐々に低下しています。
今日では、大学生やそれ以上の高学歴を持つ人々は、彼らの学歴が就職上の利点をもたらすどころか、かえって仕事を探す負担になっていることを気づきました。
国家情報センターデジタル中国研究院の陳沁(ちん・しん)副院長は2023年8月の記事で、2023年7月の求人広告で学歴や勤務経験の明確な要求がないものを除くと、約500万の職位があったと指摘しています。その中で、1年から5年の職務経験を求められる大学または大学院の学歴を持つ労働者の需要は、すべての求人の約66%を占めています。一方、16 ~ 24歳の高学歴の若者の多くは、職務経験がないか1年未満です。この部分の職位は、全体の3.96%、わずか4%未満を占めています。これに対して、2018年7月には、職務経験がないか1年未満の求人が全体の8.2%を占めていました。これは、過去5年間で若く、高学歴だが経験のない労働力への需要が8.2%から4%未満に減少したことを意味しています。
近年、高学歴者が仕事が見つからず、仕方なくフードデリバリーや建設現場で重労働をするケースが頻繁に見られます。その中で、多くの人が「一所懸命勉強したのに、結局はデリバリーや重労働に頼らざるを得ない。そうなるくらいなら、当初からこんなに勉強しなければよかった。早く社会に出て働けば、今頃はもっと多くの社会経験や財産を積み上げて、今よりもずっと良い生活を送っていただろう」と嘆きました。
(翻訳・吉原木子)