北京の8つのダムと永定河が1日、一斉に放水したため、河北省の多くの地域が浸水した。大勢の人々が閉じ込められ、水や食料が不足しており、緊急に救助を求めている。
北京は最近、特大の豪雨に見舞われ、門頭溝区と房山区では7月31日に山津波が発生し、多くの家屋や車が洪水に押し流され、甚大な被害を受けた。当局は1日、北京を守るために、北京の昌平区と平谷区の8つのダムと永定河を一斉に放水した。
当局のこの決定によって、河北省の多くの地域が浸水し、北京に最も近い涿州市が特に深刻な被害を受けた。涿州市は激しい洪水の中で「孤立した島」となり、断水、停電、食料不足などの問題が発生しており、救援を求める声が絶えない。
1日午後、涿州市の市民である黄さんは、大紀元に対して、涿州市全域が浸水しており、主要道路もほぼ全て浸水した。倒壊した建物も大勢あった。現在、皆が避難しており、通信が途絶し、停電、断水のために詳しい被災状況を外部に伝えられないと暴露した。
2日朝、涿州市の永楽文秀小学に閉じ込められたある市民は、現在ここに150人が閉じ込められており、その中には高齢者や子供も含まれている。私たちは学校の高い場所で救助を待ちながら、すでに2日間閉じ込められ、食料と水が不足しており、救助チームとの連絡が取れていない。もし、携帯電話のバッテリーが切れると、連絡が途絶えてしまう。食べ物と水が欲しいと暴露した。
しかし、このように緊急かつ困難な状況にもかかわらず、一部の外部の救援チームは現地の「招待状」を得られないため、救助活動に参加できない状況にある。
『南方週末』紙の報道によると、規定によれば、外部の民間救援チームが他の省へ救助に赴く場合、現地の緊急管理部門の招待状を依頼し、その後、地域の緊急管理部門に届け出る必要がある。承認された後、救援チームが出動できるようになるという。
しかし、現在、災害の影響で、招待状がなかなか発行できない状況にある。しかも、招待状を発行したとしても、救援チームの手元に届くまでに数時間かかる場合もある。
これに対して、ネット上で「なぜ救助には上層部の承認が必要なのか? 上層部が承認しなければ救助が許可されないのか?」というコメントに、数千の「いいね」が付けられた。
涿州は、漢の昭烈帝である劉備の故郷であり、華北平原の北西部に位置し、北京の南西に位置している。東は固安市、西は保定市、北は北京市し、南は高碑店市(こうひてんし)に接している。全市は太行山脈の沖積扇状地にあり、平坦な地形と肥沃な土壌を有している。
(翻訳・吉原木子)