(イメージ / Pixabay CC0 1.0)
近年、中国共産党は宗教への迫害を更に強化し、今、どの病院でも患者たちは宗教や信仰の情報を登録しなければ治療を受けられなくなってしまった。ある海外メディアによると、中国山東省の妊婦が失血で救急搬送され、医師は生命の危険を宣告し、即刻手術を受けなければならない状況にも関わらず、先に宗教や信仰の資料の提出を要求された。
長く中国の人権問題を注視している雑誌「寒冬」によると、2018年10月、中国山東省のある妊婦が大失血で病院に救急搬送された。医師は生命が危険にさらされているため、即ち手術を受ける必要があると診断した。しかし、生死の境で、妊婦の信仰の状況を聞くための看護婦が送られ、2度も信仰の状況を聞かれるまで、手術して貰えなかったという。
報道によると、河北省、黒龍江省、山東省、河南省などの複数の省の住民が受診前に信仰調査を受けていて、「2017年には類似した状況があった」と語る住民もいる。また、多数の医療関係者に問い合わせた結果、「患者の信仰状態を集計するのは政府の強制的な要求であり、彼らは本当の意図を知らない」という事が判った。
山東省のある病院の院長は、個人の病歴、家族の病歴、経済状況、所属宗教派閥などを含む、患者の全ての情報が政府のデータベースに入力される。「警察署だけではなく、雇用主もこれらのカルテを審査し、一旦『汚点』が見つかれば、切符を購入して出掛けるのも難しくなり、就職もできない」と暴露した。
河南省の医療関係者は「一部の患者はこれらの質問の目的を知らないので、自分が信仰していることを正直に話しますが、実は危険です。現在、悪いことが無くても、時が訪れれば、政府がこれら情報を利用し宗教を持つ人を迫害する」と話した。
報道によると、中国政府は去年から各地で信仰情況の調査活動を始め、信徒や宗教の場所に関する各種のデータベースを構築している。病院で信徒の個人情報を集計するほか、政府機関、軍、公企業、学校等でも信徒の個人情報を収集し、信仰が発見されれば、職場や社会保険などの経済的権益を剥奪されるという。
また同報道は、信徒たちの宗教する信仰が中国共産党によって、「邪教」に分類されれば、実刑を言い渡されて投獄されたり、逮捕されたりして犯罪歴を残すことにする。河北省保定市のある教会の信者は、自分と家族の信仰状況を明らかにすることを恐れ、医者にかかることができず死亡したと伝えた。
(翻訳・宛 漣音)