中国の数百都市でここ2カ月、気温が40度を超え、66の河川が干上がり、長江流域の一部の水位が157年間で最低水準まで下がっていた。(Colin McCarthyのTwitterより)
 中国の数百都市でここ2カ月、気温が40度を超え、66の河川が干上がり、長江流域の一部の水位が157年間で最低水準まで下がっていた。中国当局は、今年が1961年に完全な気象記録があって以来、最も暑い年だと述べた。しかし、専門家の中には、中国の暑さは人類史上未曾有のものであり、世界の食料市場や工業生産に大きな影響を及ぼすと言う人もいる。
 国際科学誌「ニューサイエンテイスト」23日の報道によると、異常気象の監視を専門とするスペインの気候学者・気象史家マキシミリアーノ・エレーラ氏がこのほど、世界の気象史において、これほど広い地域で、これほど長期にわる極端な高温はかつてなかったと述べた。歴史上のどの熱波も、中国の現在の高温と比べる事が出来ない。

 米ライス大学公共政策センターのガブリエル・コリンズ氏と気候変動研究プラットフォームの創設者のゴパール・レディ氏は共同で、米ニュース誌「フォーリン・ポリシー」に寄稿し、水資源は平板に見えるが、それに代わるものはなく、特に中国が毎日消費する水量は中国の原油消費量の700倍もあり、今回の干ばつがなくても、中国の水資源はすでに持続的に利用できない苦境に直面している。
 記事では、干ばつは食糧の減産につながり、中国の過去17の王朝のうち少なくとも5つの王朝が干ばつによる飢饉や騒乱で滅亡したと指摘した。食糧問題のほか、水危機もエネルギー分野に打撃を与える。中国では電力供給の9割近くが水資源に依存しており、電力消費の65%が工業用電力であるため、中国が電力不足になれば、世界のサプライチェーンに影響を与えることになる。

 中国統計局のデータによると、長江流域の6省・市である四川省、重慶市、湖北省、湖南省、江西省、安徽省は、2021年に合計1億6800万トンの穀物を生産し、国内総生産量の24.6%を占めている。もし、干ばつによって中国南部の米生産が大幅に落ち込むと、中国は国際市場で大量の米を購入することになり、国際穀物市場に非常に深刻な影響を与えることになる。
 現在、中国で起きている干ばつは、世界中の穀物市場やサプライチェーンを混乱させる可能性がある。中国共産党は常に何が起きているのか事件の真相を隠しているため、外部から観察される水問題は氷山の一角に過ぎないと危惧されている。
(翻訳・藍彧)