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 欧州連合(EU)、英国、カナダ、トルコ、ウクライナ、リヒテンシュタインなど32カ国は、12月1日から中国に対する一般特恵関税制度(GSP)を廃止する。また、今年10月12日から、ユーラシア経済連合のロシア、白ロシアとカザフも中国に与えていた関税の優遇措置を撤廃した。

 GSPとは、発展途上国を原産地とする貨物に対して、一般の関税率よりも低い関税率(特恵税率)を適用する制度である。経済の不況に陥っている中国にとって、GSP廃止措置はヨーロッパへの輸出が行き詰っていることを意味する。一部の専門家は、将来、いくつかの輸出企業が倒産になる可能性があり、より多くの失業者が現れる恐れがあると予測した。

 香港のベテランジャーナリストである蕭若元(しょう・じゃくげん)氏は2日、この変化は中国に少なくとも3つの衝撃を与えていると分析した。まず、中国の対欧の輸出が短期的に混乱に陥ることである。GSPの待遇がなくなると、取引業者らの予算が乱され、短期貿易の混乱は免れず、中国は非常に不利な状況に陥る。次に、インド、ベトナム、ASEANなどの中国の周辺国は、依然としてGSPを享受しているため、中国の関税はこれらの国より高くなり、生産チェーンの移転を促進する。最後に、EU,英国、カナダなど全世界が団結して中国共産党に対抗していて、中国共産党と全世界の敵対関係がますます悪化していることを示しているという。

(翻訳・吉原木子)