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 中国の不動産企業のリスクが加速し、信用危機に陥った会社が破産・リストラに踏み切ったことで、中国企業の信用債券のデフォルト量は今年に入っても増加し続けている。

 中国企業の国内外債券のデフォルトの規模は、今年に入ってから現在まで(7ヶ月で)すでに約302億米ドル(約3.3京円)に達し、2020年全体の299.3億ドル(約3.27京円)を上回り、年間のデフォルト額としては過去最高を記録した、とブルームバーグが2日に報じた。

 多額の負債を抱えているのは、主に大型の国有企業である。政府に直属する「中国国家鉄路集団(略称、中国鉄路)」は2023年末までに約900億ドル(約9.82京円)、送配電を担当する「国家電網公司(国営電力配送会社)」は約140億ドル(約1.52京円)を返済しなければならない。

 2023年には、中国企業の外貨建債券の返済額は1,720億ドル(約18.78京円)に達するだろう。外貨建債券のデフォルトが増加し続けることが懸念されている。

 ゴールドマン・サックスのアジア信用戦略研究責任者、ケネス・ホー氏は「中国当局は金融のシステミックリスクへの懸念を強めており、そのため中国政府による急激な政策転換に注意する必要がある」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)