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 三峡ダムは、中国政府が「百年の大計」として鳴り物入りで建設した世界最大規模を誇るダムである。四川省重慶市から湖北省宜昌市まで長江の中流域においても、とくに水流が激しい「三峡」と呼ばれる場所に16年の歳月をかけて建設され、竣工したのは2009年だ。
 
 最近、中国南部では大規模な洪水が多発しており、148の河川が警戒レベルを超えた。こうした中、長江中流にある三峡ダムは変形という深刻な問題を抱えている。 三峡ダムに詳しい専門家王維洛博士が以前、三峡ダムは金城鉄壁(きんじょうてっぺき)ではなく、動かされていることを明らかにした。もし崩壊した場合、その下にある宜昌(イーチャン)は70万人の命が奪われるだろう。 また、黄万里研究基金会の司会者である黄小路氏は、三峡ダムが破滅的な特大災難を招く恐れがあると警告している。
 
 中国共産党水資源部の関係者は6月11日記者会見で、中国本土は現在洪水シーズンに入っていると述べた。 今年の降水量は例年よりも6%多くて、計19回の激しい降水記録が更新され、148の川が警戒レベルを上回る洪水が発生した。

 今年は江蘇省南部、中国南部、中国南西部東部で大量の降雨が発生しており、珠江流域の西河・北河、長江流域の香江・鄱陽湖水系、浙江省の銭塘江水系の一部の中小河川で警戒レベルを超える洪水が発生し、一部の河川では安全レベルや最大記録を更新した洪水もある。

 6月11日、三峡ダム上流の重慶市は、非常に激しい雨に見舞われ、当局は大雨特別警報を発表しました。

 6月17日、三峡ダム下流にある四川省丹巴県堰塞湖のダム崩壊により、周辺の村が全部水没され、大きな被害を受けている。
 
三峡ダムの12種類の危険要素

 中国の水利専門家で清華大学の水利教授であった故・黄万里氏は、1992年から1993年にかけて3回にわたって江澤民に手紙を出し、三峡プロジェクトの建設に反対した。黄氏は三峡ダムがもたらす12種類の壊滅的な結果を予測した。「一、 より低い長江の主な堤防の崩壊。二、航海の妨害。三、移住問題。四、土壌汚染問題。五、水質悪化。六、発電不足。七、気象異常。八、頻発する地震。九、住血吸虫症の蔓延。十、生態系の悪化。十一、上流の深刻な洪水。十二、最終的には三峡ダムを爆発させざるをえない。」

 今日、黄万里氏の予言のほとんどが実現しつつある。最近は三峡ダムの変形がグーグルマップでも確認できるようになり、おそらく12番目の予言も現実になることが遠くないのではないか。