北極と南極が最近、平年同時期の平均気温を30℃から40℃も上回り、最高気温の記録を更新した地域もある。北極と南極が逆の季節で同時に高温になるのは稀で、極地の気候システムに関する学術的な予想が完全に覆されたと専門家は考えた。
3月の南極は初秋で、本来なら気温が下がる時期である。しかし、気候学者で異常気象専門家のマキシミリアーノ・エレラ氏が18日、海抜3000メートル以上のボストーク基地で測定された気温は-17.7℃だと明かした。これは65年の観測史上の中で最も高くなり、3月の平均気温-57.9℃より40.2℃も高いという。
南極の年間平均気温は、南極沿岸部の約-10℃から内陸部の気温の-60℃までと幅広い。
「ああ、南極でこんな状況は見たことがない」とコロラド大学の氷河学者テッド・スカンボス氏が述べた。ウィスコンシン大学の気象学者マシュー・ラザラ氏は、「このようなことは良い兆候ではない」と警告した。
南極の気温に関する研究を発表したステファノ・ディ・バティスタ氏は、「南極の気候学は書き換えられてしまった」と率直に述べた。このような気温異常が実際に起こる前には「不可能」で「考えられない」とされただろうと語った。
極地気象学の専門家であるフランスのジョナサン・ウィル教授は、これは前例がなく、南極の気候に関する人類の知識を根底から覆したものだと述べた。
まだ冬が続く北極では、16日と17日の2日間、気温が零下に近づいたり到達したりして、3月中旬の現地平均気温より30℃も高くなった。一方、18日の北極全体の気温は、1979年から2000年までの平均値より3.3度高くなった。
米コロラド大学ボールダー校の国立雪氷データセンター(NSIDC)で北極の研究に携わる専門家、ウォルター・マイヤー氏は驚いた。
「北極と南極では季節が逆であるため、通常両極の氷が同時に溶けることはない」とマイヤー氏は18日のインタビューで述べた。「これは間違いなく異常な出来事であり、本当に驚いた」と強調した。
(翻訳・徳永木里子)