中国福建省でクラスターが発生したため、「中国の靴の都」と呼ばれる莆田市(ほでんし)にある企業は生産が停止状態に陥った。
莆田市には4,200社以上の靴製造企業があり、年間13億足以上の靴を生産し、50万人以上の従業員が働いており、2020年に靴製造企業の生産額は1,000億元(約1.71兆円)を超えた。
中国経済メディア「界面新聞」13日の報道によると、莆田市のすべての靴工場が生産を停止し、すべての従業員が自宅で隔離され、自営業の靴屋も閉鎖されているとのこと。
同市の仙遊県(せんゆうけん)楓亭鎮にある靴のアッパー加工工場のオーナーは、「このまま流行が続けば、いつまで耐えられるかわからない。休暇中の労働者に保障給を支払わなければならないからだ」と述べた。10日の感染発生以来、同工場は生産を停止し、労働者は休暇中であるという。
楓亭鎮だけでなく、莆田市全域および仙遊県のほとんどの靴工場は生産を停止しているという。
コロナの影響を受け、莆田市の宅配業も大々的に停止している。地元メディア「福建日報」によると、仙遊県では、郵便局の宅配便営業所の7割は営業を停止し、6つの宅配便中継所のサービスは遮断され、同県の18の郷・鎮に影響が及んでいるという。
地元の靴売りの「ウィーチャット・ビジネス(SNSを利用して販売や宣伝を行うデジタルビジネス)」の多くは、現在、予約のみを受け付けており、具体的な配達時間については別途通知するとしている。多くの「ウィーチャット・ビジネス」は、顧客を維持するために、待つことを厭わない消費者に割引価格を提供している。それでも、「ここ数日で靴の注文をキャンセルするお客さんが大幅に増えた」という「ウィーチャット・ビジネス」がいた。
(翻訳・徳永木里子)