武漢P4実験室(イメージ:Weibo)

 米メディア「The National Pulse」は2日、武漢ウイルス研究所の副所長が、米国立衛生研究所(NIH)の会議で、中国でのコウモリ由来のウイルスの操作と機能獲得研究について「規制がない」と主張していたと報じました。

 同報道によると、NIHは2011年、「デュアルユースが懸念される研究(DURC)」について参加者に「より深く理解」してもらうことを目的とする「アジア・西太平洋地域を中心とした科学・科学政策コミュニティとのグローバルな対話の継続」という会議を開催しました。

 DURCとは、NIHが「公衆の健康と安全に、重大な脅威をもたらす可能性のある研究」と定義しているもので、COVID-19を生み出した可能性があるとして注目されている「機能獲得研究」も含まれます。

 電話を通して参加した武漢ウイルス研究所の副所長・袁志明(Yuan Zhiming)博士は会議で、自分の研究所と中国には、デュアルユース研究に対する意味のある規制がないことを繰り返し強調しました。デュアルユースとは、民生用と軍事用のどちらにも利用できる技術で、軍民両用(技術)とも呼ばれています。

 同会議には、袁志明副所長、NIHの科学政策担当副所長をはじめ、米国のトップレベルの研究者や科学諮問委員会のメンバーが参加しました。最近、NIHに所属している米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長が武漢研究所との関係を否定しましたが、その後にこの会議の内容が明るみに出ました。

 同会議で、袁副所長は 「中国には規制がなく、一部のデュアルユース研究を特定するための規制もなく、研究の分類や情報の分類に関する規制もない」と説明しました。また「中国では、バイオセーフティやバイオセキュリティの理念は中国の科学界で規制されているが、デュアルユースの研究は完全には規制されていない。だからこそ、研修を通じて研究責任者の関心を高めるための何らかの方策や特別なプログラムが必要だ」と訴えました。さらに、会議の閉会の辞で、「デュアルユースの識別や一部の機密情報の分類については規制がない」と再度強調しました。

 しかし、COVID-19が発生して以来、袁氏はアメリカや中国の国営メディアに出演し、自分の研究室からウイルスが流出した可能性を否定し続けています。

 NIHに所属する NIAID のファウチ所長の電子メールが大量に公開されたのち、ファウチ所長らの武漢ウイルス研究所との関係が徐々に明るみに出ました。そしてその責任を追及する声も米国内で高まっています。

(新時代Newsより転載)