中国恒大研究院は10月13日、「中国出生報告2020」を発表した。報告書は、中国はこれから人口が減少傾向になり、「裕福になる前に老齢化する」苦境に直面していると指摘した。また、中国政府に対し、出産の奨励を行う政策を直ちに採用するよう呼びかけた。
報告書によると、中国は2016年から「全面的二人っ子政策」を実施、高齢化がある程度緩和しているものの、住宅価格や医療費、教育費などの高騰により、中国の出生率は2年連続低下している。2019年の中国の出生率はわずか10.48‰であり、1949年以来の最低水準を記録した。これは「二人っ子政策」の効果が薄れていることを示している。
同報告書では、2021年から2025年の間に、中国の人口はマイナス成長に陥ると推測した。65歳以上の人口割合は2022年に15%以上を占めることになり、中国は高齢化社会に突入する。2033年には65歳以上の人口割合が20%以上を占め、超高齢化社会になる。2050年頃から、中国の総人口は急激に減少し、2100年までに中国の人口は8億人未満になると推定されている。そして世界における中国の人口割合は現在の19%から7%に減少する。
米国、日本、韓国などの国々の高齢者の割合が12.6%に達したとき、一人当たりのGDPは2.4万米ドル(約250万円)を超えていたが、中国の一人当たりのGDPはわずか1万米ドル(約100万円)である。人口減少を食い止めることができなければ、中国は「裕福になる前に老齢化する」という深刻なジレンマに直面するだろう。
同報告書は、人口は国力の重要な構成部分であり象徴であると結論付けた。「中国共産党政府は人口は負担であるという概念を捨て、直ちに完全に出産を自由化して奨励すべきだ」。 中国の人口問題の専門家である易富賢は、中国の少子化問題は不可逆的な国家安全保障危機であると考えている。現在、すぐに「一人っ子政策」を廃止しても緩和するには少なくとも10年以上かかるという。 中国人民大学の元教師である周孝正はかつてラジオ・フリー・アジアに対し、現在の人口問題を引き起こしたのは中国共産党の誤った方針であると語った。
(翻訳・北条)