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中国軍 原子力潜水艦を予定より前倒しで配備

中国海軍の弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦(イメージ:Wikimedia CC0 1.0)

 中国の海軍力を過小評価する米国だが、潜水艦については大きな警戒心を抱いているようだ。最新の報告によれば、中国の半数程度のSSBN(弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦)が稼動していると推定されている。

建造・配備が進む中国の原子力潜水艦

 衛星画像の長期観測によれば、中国は米国の推定より1つ多い、5つの原子力潜水艦を建設中である可能性が高い。建設中の5隻のうち、3隻は海南島の海軍基地で既に発見されており、2隻は渤海の造船所で開発が続けられているとのことだ。

 「従来の中国の核兵器はすべて陸上のシステムであるため、SSBNプログラムには大きな労力が払われています。SSBNが拡大すれば中国は戦略的柔軟性を手にできるからです」と、モントレー国際ミドルブリー国際研究所のキャサリン・ディル氏はコメントした。

 米国防総省は「中国は4隻の『094型原子力潜水艦』を運用可能である」と主張しているが、運用中のSSBNは2隻しかない。4隻のうち、2隻の潜水艦は渤海の造船所で整備中だからだ。

 中国がより多くの原子力潜水艦を求める理由は非常に簡単だ。精密爆撃のような最新非核技術に対して恐れを抱いているからだ。

 こうした最新兵器は非常に正確であるため、外国が先制攻撃すれば中国本土の核兵器は破壊される可能性がある。このことを中国政府は心配しており、軍部は追加の原子力潜水艦の導入に躍起になっている。

中国の先端軍事技術

 中国はまた、米国の軍事能力を超えることを目標に高度な潜水艦技術を開発している。例えば人民解放軍海軍(PLAN)が開発した電動ジェット推進機は、あらゆる西側の潜水艦推進システムより静かであると言われている。こうした推進技術が実用化されれば潜水艦の検出は非常に困難になる。

 马伟明海軍少将は、中国中央テレビとのインタビューで次のように説明した。
「私のチームが開発した世界初の技術の1つが次世代潜水艦に採用される予定です。この分野において我々は米国を凌駕しています」

 中国軍は既存装備に変更を加え、潜水艦の艦隊の近代化に強く力を入れている。次期型の潜水艦である095型潜水艦および096型弾道ミサイル潜水艦には最新の推進技術が搭載される予定だ。

 「人民解放軍は戦闘艦を急速に減らし、代わりに対艦・対空・対潜水艦用の武器やセンサーを装備した大型のマルチミッション船の配備に注力している。この変化は『近海』のみの防衛戦略から『近海』と『遠洋』の両方を防衛するという軍の戦略的移行にも沿っており、人民解放軍は長距離・多用途の自衛能力を構築しつつある」と米国防総省の報道官は述べた。

(翻訳・今野秀樹)

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