ジェニファー・ゼン(本名・曽錚)(YouTube動画のスクリーンショット)

 前回までは新型コロナウイルス(中共ウイルス)の発生の経緯について、医師が原因不明の肺炎患者を確認したこと、患者のサンプルを国内のいくつかの研究所に送ったこと、そしてすべての研究所が新型のコロナウイルスであるという結論に至り、結果を保健当局に報告したことを時系列順に紹介した。ある研究者は、この新型ウイルスが非常に恐ろしいものかもしれないと分かり怖かったが、同時にウイルスを特定することができ、患者を隔離することができたので、興奮も感じていたと話した。また、彼はウイルスが広範囲に広がる前に消滅させることができると信じている。しかし、これらの早期の発見は中国共産党によって隠蔽された。そのため、ウイルスを排除する最も重要な時期を逃してしまった。その後も、彼らは幾度となく間違いを犯し続けたため、状況は更に悪化になった。

 2020年1月14日、武漢市衛生部門は、「濃厚接触者の間で関連する症例は特に見つかっていない」と発表した。しかし、武漢の医師たちは12月上旬時点で、既にこの情報が虚偽であることを知っていた。なぜなら、第一感染者の妻は華南海鮮市場に行っていないのに感染が確認されたからだ。

 同日、WHOはツイッターで「中国当局が実施した予備調査では武漢で確認された新型コロナウイルス(2019-nCoV)におけるヒト-ヒト感染の明確な証拠は見つかっていない」と発表した。WHO健康危機管理プログラム責任者であるマリア・ファン・ケルクホーフェ氏がジュネーブで開かれた記者会見において、「私たちが把握している情報では、家族間など限定的なヒト-ヒト感染が起きる可能性はあるものの、現時点で持続的な人から人への感染は確認されていない」と述べた。

 同じく1月14日、中共ウイルスの最初の指定病院であった武漢市の金銀潭病院で取材を行おうとした香港電台・商業電台無線電視(TVB)やNow新聞など少なくとも4つの香港メディアの記者やカメラマンが拘束された。警察は、彼らに病院内で入手したすべての映像を削除するよう命じ、同時に持ち物すべてを捜査した後、約90分後に彼らを釈放した。

 1月15日、武漢市衛生健康委員会は「調査した限りヒト-ヒト感染の明確な証拠は発見されておらず、限定的なヒト-ヒト感染は否定できないものの持続的な人から人への感染の可能性は低いと考えられる。現在臨床データと疫学データを基に更なる研究を進めている」と通知した。この通知で初めて「ヒト-ヒト感染」の症例を認めた。“現在確認されている41件の症例のうち、1件は家族間での感染であることが判明した。先に発病した夫は華南海鮮市場の従業員であったが、妻はその海鮮市場との接触歴がない”と述べた。

 同日、中共は中国疾病予防抑制センターの李群主任の声明を利用してWHOへヒト-ヒト感染のリスクが「低い」ウイルスが検出されたと報告した。また、湖北省衛生委員会は武漢の金銀潭病院の3階までをICU病棟に改造するよう指示し、他の病院の医療スタッフを支援のため派遣した。武漢金銀潭病院の張定宇院長は真っ先に感染症との戦いを開始した病院を「台風の目」と例え、毎日まるで戦場のようでスタッフは皆過労で疲れ果てていたと話した。そして、1月12日から15日の間、ウイルスによる恐怖のあまりに1日で50人以上の医療従事者が辞職し、病院は突如半分もの医療従事者を失った。

 また同じ日、武漢のコミュニティ関係者は3日後に開催される「万家宴」の開催を阻止しようとしたが失敗した。この万宴会は武漢伝統の大宴会で4万世帯以上が料理を持ち寄って、歓談する行事を指す。このコミュニティ関係者も住民委員会の会員であり、彼の所属する百歩亭コミュニティには約18万人もの住民がいると言った。そのため、「肺炎」と「限定的なヒト-ヒト感染」の情報を聞いて心配になり、コミュニティの長に万家宴の中止を提案した。しかし、彼の提案は取り合ってもらえなかった。

 またこの日、米国初の感染者となる患者が武漢の親戚を訪ねた後、ワシントン州に帰った。

 1月16日、日本で初めて中共ウイルスの感染が確認された。

 また、武漢を訪れた台湾の疫学者2名はウイルスがヒト-ヒト感染するとの見解を示した。それを受け、台湾は武漢への渡航警告をレベル2まで引き上げた。台湾疾病管制署の専門家はすぐさま会議を招集し、記者会見を開き、武漢での調査結果を発表し、国民に警鐘を鳴らした。ここからも、台湾が自国の専門家や情報を基に、独自の対策を講じていたことが分かった。

 1月17日、武漢市衛生健康委員会は、1月5日より停止していた中共ウイルス新規感染者の更新を再開し、1月16日には45の感染症例があったと発表した。

 一方、武漢の状況はさらに深刻化しており、武漢の住民は病院の廊下に人が横たわっているところをソーシャルメディアで共有した。さらに、多くの医療従事者の感染が確認されており、病院はもう新患者を受け入れる余裕がない状態になった。状況は衛生委員会の発表よりも、さらに深刻だった。しかし、一部のソーシャルメディア上の投稿は中共当局によってすぐに削除された。

 同じくこの日、武漢の優撫病院では数人の医師が会議を開き、彼らが診ている肺炎は細菌性肺炎ではなく、ウイルス性肺炎であると判断したため、旧正月の祝賀会を中止することにした。ウイルス性肺炎でなければ、ここまで速く広がるはずもなかっただろう?

 中国メディア「八點健聞」は、2月11日「失われたチャンス、無視された早期発見の症例」と題した記事を掲載し、華南海鮮市場付近の病院の警告と発見が重視されなかったことを残念に思うと表した。また、新型コロナウイルスの確定診断の基準が高すぎたため、華南海鮮市場に行ったのに診断されなかった人もいる。これらはウイルス抑制の大きな妨げになった。

 優撫病院は精神科を専門とする2級医院であり、華南海鮮市場からわずか200mのところにある。実は、12月12日に、診た患者に奇妙な症状が現れており、さらにその患者からの華南海鮮市場の屋台の従業員7~8人が突然熱を出したという情報から、医師はすぐに感染性が非常に強い病気の発生を疑いた。12月23日の時点で、優撫病院のある医師が華南海鮮市場からのすべての患者にマスクを着用させ、さらには放射線科と外来担当の医師は全員マスクを着用すべきだと提案した。1月10日、病院側は衛生委員会に多くの医療従事者と患者が熱を出していると報告したが、如何なる返答もなかった。

 1月18日、武漢市はウイルスが流行しているにも拘わらず、百歩亭コミュニティで4万世帯以上が参加する盛大な宴会を開催し、1回のイベントで最も多くの料理を提供したギネス世界記録を申請した。疫病が蔓延している中、大規模なイベントを開催するのは不適切ではないかという質問が出た際、コミュニティの長は「万家宴は伝統行事であり、すべて正常である」と強調した。もし、一家が3人だと仮定した場合、4万世帯いたということは12万の人々が集まっていたことになる。その後、まもなくクラスターが発生し、多くの人が亡くなった。

 同日、武漢大学中南医院重症医学科主任の彭志勇医師が武漢に派遣された第二の専門家チームに診断基準が厳しすぎると報告した。その判断基準は華南海鮮市場との接触歴があり、発熱、ウイルス検査結果が陽性であるなど3つの条件を満たさなければならないというものだ。その後、専門家チームが基準を緩和したとたん、患者数が急増した。この状況が何を意味するかというと、感染者数が少なかったのは感染に対する判断基準が間違っていた。

 その日の午後、「SARSの英雄」であり、中国工程院のトップ専門家である鐘南山医師が直ちに武漢へ行くよう要請された。彼は「専門家チーム」を結成し、広州から武漢に向かった。

 同じ日、台湾疾病管制署は疾病管理センターを設置し、防疫対策に取り組んだ。

 1月19日、中国国家衛生委員会が「ウイルスはまだ予防も制御も可能である」と宣言し、また、WHOは「感染経路、疾病の臨床的特徴や感染拡大の程度及び感染源について、決定的な結論を出すには十分な情報を得られていない」と発表した。

 そんな中、広州中山大学附属第六病院の医療従事者が感染したという情報がネット上で広まった。これは、ウイルスが他の省にまで広がったことを意味する。

 同日、鍾南山医師が率いる専門家チームが武漢での調査を開始し、金銀潭病院や武漢市疾病管理センター及び華南海鮮市場を視察した。彼らは調査後に非公開の会議を開き、国家衛生委員会にウイルスはヒト-ヒト感染するものであると報告し、同時に伝染病の最高レベルの管理を提案した。

 1月20日、鍾南山医師は中国中央テレビのインタビューでウイルスはヒト-ヒト感染するものであり、既に1人の患者から14人の医療従事者へ感染した事例があると認めた。そして、国家衛生委員会は新型コロナウイルスが「2類」の伝染病だが、「1類」と同等の疾病管理・予防措置をとると発表した。中国の伝染病防治法によると、「1類」伝染病はペストとコレラのみだという。

 一方で、武漢市衛生委員会は「密接的な接触者の中に関連する症例は発見されなかった」と発表した。またこの日、武漢最大の地元紙『武漢晩報』が1月5日以降、初めて一面でこのウイルスについて言及した。

 同日、習近平が防疫対策についての指示を出したが、その際に「世論を導き政策措置についての宣伝や解釈を強化し、社会情勢の安定に努め、国民が安定かつ穏やかな春節を送れるようにする」とも強調した。また、李克強総理も国務院で会議を開き、防疫対策について議論した。さらに、武漢市は旧正月期間に無料で20万枚の旅行券を配布すると発表した。

 同日、台湾の衛生福利部は「厳重特殊感染性肺炎中央流行疫情指揮センター」を設立し、台湾の多くの医師が「SARSよりも感染力が強い」と警告した。

 またこの日、韓国で初めての感染が確認された。

 1月21日、この10日前にテレビのインタビューにて“予防も制御も可能”と発言した武漢の専門家チームのメンバーである王広発医師が自身の感染を認めた。

 またこの日、湖北省の中共幹部が武漢で開催された春節を祝う公演に出席した。40人以上のアーティストが「良い祭典の雰囲気を作る」ため、パフォーマンスを行ったが、うち一部のアーティストは体調を崩している中、肺炎による恐慌に耐え、「政治的な任務」を遂行した。中国では芸術は政治的場面で利用されることが多く、アーティストは中共の指示に従わなければいけない。これは中国人の間では周知のことだ。

 同日、米国疾病予防管理センターが米国初の感染を発表した。この6日前に、武漢から帰国したワシントン州の住民が中共ウイルスと診断された。また、オーストラリアでも武漢から帰国した男性に感染疑いがあることが報告された。

(つづく)

(文・曽錚/翻訳・「世界をみよう」チーム)