中国国防科技大学(Wikimedia Commons / Huangdan2060 / CC0)

 米司法省は8月28日、米カリフォルニア州アルハンブラに住む中国国防科技大学の訪問研究員Guan Lei(29歳)が、米連邦捜査局(FBI)に証拠隠滅と捜査妨害の疑いで逮捕され、同日に初出廷したと発表した。

 司法省の発表によると、Guan Leiは2018年から交換留学生としてJ-1ビザでカリフォルニア大学ロサンゼルス分校で研究を行っている。今年7月25日、Guan Leiは自宅近くのゴミ箱に破損したハードドライブを捨てた。捜査終了報告書には、現在入手可能な証拠は、ハードドライブが「修理不能であり、ドライブ上のすべてのデータが意図的に削除された」という。

 司法省はまた、FBIはGuan Leiが中国国防科技大学に米国の機密ソフトウェアや技術データを転送した疑いがあるとして、極秘に調査を進めているという。以前、2018年にビザを申請した際、彼は中国軍とのつながりを否定していた。Guan Leiの師匠の一人は、中国軍の各部門のコンピュータシステムを開発した中国軍の中将だった。中国国防科技大学は、核爆発をシミュレートするソフトウェアアプリケーションを実行するスーパーコンピューターを開発するために「米国原産のデバイスを調達した」疑いがあり、米商務省の核拡散疑惑の実体リストに掲載された。

 捜査終了報告書によると、Guan Leiはハードドライブを破壊した疑いがあるほか、デジタル記憶装置を捜査官から隠し、米国に滞在した約2年間は中国領事館と接触していなかったとFBI職員に嘘をついた。

 証拠の損壊は、有罪判決を受けた場合、最高で20年の懲役刑を科す連邦重罪である。

 Guan Leiは8月28日に初出廷し、9月17日に初裁判になる予定だという。

(翻訳・藍彧)