新安江ダムは7月8日朝9時から9つの水門をすべて開き放水した。(イメージ:ネット写真)

 中国は連日の豪雨により水位が継続的に上昇し、中国東部地区の最大のダムである新安江ダムは7月8日朝9時から9つの水門をすべて開き放水した。これは同ダムが1959年に建設されて以来初めての全面放水だった。放水は地元住民に大きなな影響を与え、住宅が浸水されたところもあったようだ。

 新安江ダムの貯水池は「千島湖」とも呼ばれ、浙江省杭州市の南西部にある春安県と建徳市境内に位置しており、1959年に新安江徳馬銅官峡に水力発電所を建設するためにできた人工湖で、東部地区の最大な貯水池となっている。

 浙江日報によると、中国で豪雨が続いて水位が継続的に上昇しているため、浙江省水資源部は7月8日朝7時、8日9時から新安江貯水池の9つの水門をすべて開き放水することを決定した。これは同貯水池が建設されて以来61年間初めての全面放水だった。

 8日8時には同貯水池の水位がすでに103.38メートルに達し、警戒水位を1.88メートルも超えた。9時からさらに大雨が降り、8号水門と2号水門から放水し始めた。放水量は6600立方メートル/秒で、総流出量は7800立方メートル/秒で、30分の水流量で杭州西湖の貯水容量(1400万立方メートル以上)に相当する。

 梅雨に入って以来、新安江貯水池が位置する杭州建徳市の降水量は650ミリを超え、1957年の気象記録以来の最高雨量となった。貯水池地域の降雨量は900ミリを超え、平均の3.5倍に達した。

 9つの水門による全面放水開始後、貯水池下流の水位がさらに上昇し、水流のスピードも速くなった。放水は地元住民に大きな影響を与えたようだ。そのうち、新安江町浙西巷の排水管が逆流し、住宅2階まで水浸された。さらに、多くの堤防から浸水されるリスクがあり、貯水池の下流にある銭塘江流域も影響された。 

3つの水門、5つの水門及び7つの水門による放水後の同じ場所の様子(ネット写真)

(翻訳・謝如初)