2018年4月18日、神韻芸術団の日本公演2日目が東京の文京シビックホールで開演された。会場には昨日の感動の熱気が残っている中、再び客席は多くの観客で埋め尽くされた。18日には14時と19時に2回の公演が行なわれ、チケットはソールドアウト。会場でインタビューに応じた多くの観客は、このような公演は初めて見ると口々に語っていた。また各演目が切り替わる際、会場内には毎回盛大な拍手が沸き起こり大変な盛り上がりを見せていた。

神韻芸術団はなぜ人々をここまで虜にしてしまうのか?実際に公演を見た観客たちの声を聴きながら、神韻芸術団の魅力の秘密に迫ってみたい。

中国古典舞踊とは何か?-その歴史、そして舞踏家たちが身に着けた高度な技術の秘密は何か?

中国古典舞踊

中国古典舞踊とは、中国五千年の歴史を継承する伝統的な美的感覚を基盤とした舞踊形式である。成立初期の頃は、民間や宮廷において、古代の戯曲を通して人々の間で親しまれていたと言われている。そして数千年の歴史の中で絶え間ない整理・整頓が行われた結果、最終的に、中国古典舞踊は今日のような幅広く体系化された独自の形式へと発展した。

身韻、身法と技巧

中国古典舞踊は、身韻(しんいん)、身法(しんぽう)、技巧(ぎこう)を重んじている。「身韻」とは、中国人の民族性に、古代から継承された歴史や文化が内包した精神のことである。そして、この「身韻」が身のこなしである「身法」や「技巧」と融合した結果、中国古典舞踊はいっそう奥深いものとなった。そのため舞踏家たちは日ごろから基礎訓練を行うほか、中国古典舞踊独自の動作や身のこなしに加え、難度の高い跳躍、宙返りなどの空中技を習得することも必要とされる。

神韻を鑑賞した人々の声-「現代人は演目で表現された『何か』を求めている」

日立製作所の海外プロジェクト本部長の塩野千春氏と夫人(写真:雲中君/看中国)

「(神韻の公演は)洗練されていると思いました。一人一人の動きが合っている。そして技術レベル・跳躍・回転・姿勢の保ち方に至るまで、よく訓練されていることが伝わってきましたね」

こう語るのは日本最大の電気メーカーの1つ、日立製作所で海外プロジェクト本部長を務める塩野千春氏だ。
塩野夫人は初めて鑑賞した神韻について、「メディアやインターネットで色々な情報は入りますが、人々の心はどこか寂しかったり、愛情がなかったり、あるいはそういうものに刺激を受けすぎているように思います。『演目の中で表現されていた何か』を求める人は多いかもしれませんね」と、公演の感想とともに現代人が置かれた状況について語ってくれた。

明日からの糧にしていきたい

「中国の伝統文化は日本人にも伝わってくるものがあります。スマホなどをはじめ、近頃は文明に支配されているとを感じます。(日本人も中国人も)伝統ある文化を守り続けてほしいです」

そう語るのはJR東日本グループ・日本レストランエンタプライズで神奈川支店の次長を務める豊田康裕氏だ。豊田氏は初めて夫婦で神韻を鑑賞したという。

今回の公演について、豊田氏は「出演者の軽やかな踊りの裏側に血の滲むような努力を感じました。私にも悩みがありますが、明日からの生活では神韻を糧にして生きていきたいです」と自身の心境を明かしてくれた。

JR東日本グループ 日本レストランエンタプライズ神奈川支店次長・豊田康裕氏(写真:廣田寛光/看中国)
セキリティコンサルタント会社 サイネリア 小沼茂CEO(写真:廣田寛光/看中国)

「私は(事前に)神韻の公演に関する資料を読んでいました。自分の人格などを鍛え上げていくと、あのような形で表現できる域に達するのですね。実際に公演を見て、それが良くわかりました」と語るのは、セキュリティコンサルタント会社サイネリアのCEO・小沼茂氏だ。

小沼氏はまた、「私自身はサックスを演奏しています。(神韻芸術団が)西洋の楽器で東洋的な雰囲気を出すのは独特ですよね。見事だなと思います。一番先頭の席だったので楽器までよく見えました」と、自身の経験を交えて感想を語ってくれた。

また、中国で公演ができないこと、そして修煉している人たちが迫害されていることについては「いろいろな考え方をお互いリスペクトして、国がさらに発展していく方向に向かってほしいです」と話していた。

(田 作驕)