(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中共ウイルス(新型コロナウイルス、COVID-19)が全世界へ蔓延し、医療物資不足が深刻なる中、多くの国は中国から医療物資を調達することにした。しかし、購入したマスクやウイルス検査キットなどの医療用品が不良品であると多くの国の政府から苦情が相次いでいる。フィンランド政府は4月9日、中国から購入した200万枚の保護マスクが基準に満たされず、病院に使用できないと公表した。ある保健省の職員はマスコミに「非常にがっかり」と語った。

 RFIの報道によると、フィンランド政府は現地時間4月8日、中国から購入した200万枚の保護マスクはすべて基準に満たされず、病院に使用できないと公表した。

 当報道によると、フィンランド保健大臣ペコネン(Aino-Kaisa Pekonen)氏は4月7日フィンランドが購入した200万枚の外科手術用マスクと23万枚の保護マスクの初ロットは中国・広州よりヘルシンキ空港に到着したとツイッターに写真をアップロードした。これらのマスクに対し、使用する前に、まず検査試験を行い、合格か否かをチェックする予定と述べた。

 しかし、フィンランド政府は翌日、これらのマスクが医療の環境でウイルスに対する防御の基準に満たしていないことを発見した。ある保健省の職員がマスコミに「無論、我々は非常にがっかりした」と語った。ただし当職員は、幸いこれらのマスクは在宅ケアなどには使用できるとも述べた。

 報道によると、フィンランド政府はマスクの購入金額を公表していないが、政府は6億ユーロの予算を使い、医療物資及び保護用品を調達したと4月8日に公表した。

 現在(4月15日)、フィンランド国内に中共ウイルスの感染を確診された患者は既に3,237人に達し、64人の死者も出た(Worldometer)。フィンランドの役所職員によると、一部の地域ではマスクの供給不足が深刻になり、政府は4月7日、国内企業3社に1日約20万枚のマスクを生産するように手配したと発表し、4月下旬より生産開始という。

 フィンランドのみならず、中国より設備を購入したほかの欧州国家も似ている問題に直面している。

 AFP通信の報道によると、物資調達を担当するフィンランド政府職員ルーネマ(Tomi Lounema)氏は記者会見で、中国のマスク市場は極めて混乱しており、マスクは値上げする一方で、早もん勝ち状態で、かつ前払いは必須条件になっている「ビジネスリスクは非常に高い」と述べたという。

 近頃、スペイン、オランダ、チェコとイギリスなどの国では、中国より購入したマスクとウイルス検査キットが基準に満たしていないことが相次ぎ発見された。

 報道によると、オランダ保健省は3月28日、医療機関に配達された中国から購入した数十万枚のマスクの回収命令を公表した。これらのマスクはFFP2規格適合の証明書が付いているにも関わらず、品質はかなり悪く、検査基準を満たしていないとも述べた。

 スペイン保健省は3月26日に、先日中国から購入した34万個のウイルス快速検査キットは欧州合格認証(CE)の標識が付いているが、試験した結果、その精度はわずか30%だったと述べた。

 チェコ政府も先日、中国から購入した18万個のウイルス快速検査キットのエラー率は80%に達し、実際に応用できないと発見した。

 中国テクノロジーメディア「Tech星球」の最近の記事で、「陳国華(チェン・グオフア)」と自称するマスク輸出エージェントによると、中国市場のマスク工場の6割ぐらいは、無菌作業場を整備しておらず、その多くはマスクマシンを購入してからすぐマスク生産に投入したという。陳氏はマスク製造作業場を訪問した際、作業場はホコリだらけ、作業員はマスクも手袋も着用していないことを発見した。

 陳氏によると、中国に多く存在する小さなマスク工場は、服装縫製工場や電気機器工場より仮改造され、設備も技術も基準に満たしていないという。その多くの工場は、マスク生産許可がお金で購入しており、中には生産許可なしで生産している工場まで存在している。N95マスクのような高い規格のマスクの供給は非常に不足しており、生産許可を持っている工場の生産能力が需要に応じられないため、受注した大口注文はほとんど小さな工場に分けて共同生産するパターンにしているという。

(総合報道・岳剣清/翻訳・常夏)