中国人留学生許可馨(イメージ:ウェイボー写真)

 昨今、アメリカでの中国人留学生許可馨(シュ・カーシン)の名前がトレンド入りした。その理由は、SNSで武漢肺炎について「国を憎む」「国のネジなんてなりたくない」「まったく帰国したくない」などの本音を吐いたからだ。発言は中国のSNS「ウェイボー」で炎上した。

 中共ウイルス(新型コロナウイルス)が中国で爆発的に蔓延してから、海外の中国人は中国の感染について関心を寄せている。許さんはその一人である。中国人が感染を防ぐために帰国して、非人道的待遇にあい、感染者も出たニュースを聞き、許さんは「留学生として、私は全く帰国したくない。大局を重視する場合ではない」「国のネジなんてなりたくない。国の奴隷になりたいなら好きにしたら?」「母国に迷惑をかけたくない。今後は一切帰国しないから」などとウェイボーでコメントした。

 その結果、許さんのコメントは中国本土の一部の人間の逆鱗に触れた。許さんはその民衆たちに攻撃され、トレンド入りまでした。

 許さんの母校・中国薬科大学は3月29日の声明で、許さんは2019年卒業の学部生であり、自費で留学したと表明した。許さんの同級生によると、許さんはピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)で大学院生として勉強し、江蘇省を介して中国留学資金委員会(China Scholarship Council, CSC)の奨学金を申請したという。同奨学金は学校の推薦状がない限り申請は極めて難しく、審査もかなり手間がかかるという。

 許さんのコメントはウェイボーで炎上し続けた。許さんは炎上について「私は母国を愛し、同胞を愛している」と応えた。

 実は、中国本土の民衆の多くは、中国と中国共産党を混同している。しかし、中国から離れ、海外へ留学し生活をする中国人は、海外での暮らしに慣れたら、中国と中国共産党は全く別物だと気づきはじめ、ネット上でコメントをする。

 四川省・成都電子科技大学卒の渡米学者マイ・ウェンディン博士は、中国共産党政府の隠ぺいによる武漢肺炎の拡散について、アメリカの同僚にお詫びのメールを送った。「中国人として、申し訳なく思います。昨今、中国から蔓延した新型コロナウイルスは、普通の流行病から世界規模のパンデミックになり、皆さんにご迷惑をお掛けするばかりでなく、人の命まで危険を及んでいます。」

 マイ博士は、「中共政府の流行への隠ぺいと、WHOの反応の遅さも、ウイルスの蔓延の原因であり、世間をがっかりさせました。アメリカは偉大なる国です。アメリカの健康と繁栄を信じています。すべてがうまくいきますように!」と述べた。

 マイ博士のメールの前、アメリカでの中国人留学生コン・ジーハオもツイッターで、中共肺炎(武漢肺炎、新型コロナウイルス感染症、COVID-19)の感染者にお詫びをした。「中国共産党政府と中国の人々は、今回の事態に責任を負う必要がある」とも述べた。

 その前にも、一人の中国人女性がお詫びのビデオを発表した。「中国共産党がした事に沈黙し隠ぺいして、とんでもない事態になったことをお詫びします。中国人が自己本位で医療物資を大量に買い占めたことをお詫びします。ウィチャットで『米軍がウイルスを武漢に連れてきた』というフェイクニュースを広げたことをお詫びします。武漢ウイルスが皆さんに迷惑をかけたことをお詫びします。日本、韓国、台湾の皆さん、申し訳ございません」と述べた。

(文・看中国記者黎小葵/翻訳・常夏)