軍事演習中の米、韓の特殊部隊(イメージ:YouTube動画のスクリーンショット)

 2019年11月、駐韓国米軍が韓国軍と連合軍事演習を行った。米国防総省が珍しく北朝鮮の指導者を拘束する軍事演習の映像を公開した。米国のこの動きは北朝鮮を警告したものと見られている。

 韓国紙「朝鮮日報」の報道によると、駐韓国米軍特殊部隊及び韓国軍が群山(クンサン)空軍基地で連合軍事演習を行い、目標は北朝鮮の軍事基地を突撃し、北朝鮮の高層部を捕虜するものだった。米、韓両国の軍隊は類似する連合演習を経常的に行なっているが、軍事演習の映像を公開するのは前例がないという。世論からはこれが北朝鮮を警告するためだと見ている。

 米韓連合軍は今年の後半期だけでも連合軍事演習を多く行い、行動範囲は朝鮮半島全域にまたがる。米国側からは海、陸、空軍、及び海兵隊が演習に参加したという。

 公開されたのは、CH−47チヌーク大型輸送用ヘリコプターからの空挺訓練、および米韓連合軍が敵軍の陣地内へ突入して朝鮮人民軍に扮した軍人の銃撃戦などの映像だ。その中に特に米、韓の特殊部隊が目標の建物で北朝鮮の指導者を拘束する模擬映像が世を驚かせた。内容があまりにも敏感すぎるため、米国側は事後、関連写真と映像を削除したにも関わらず、韓国メディアは既にこれらの映像のコピーを取っており、公開に至った。

 公開される映像によると、11月のこの軍事演習では、米軍特殊部隊が目標にした敵の建物を突撃し、北朝鮮のリーダーを拘束する訓練が行われた。特殊部隊が消音器を付けたライフルを持ち、目標の建物に快速に突入し、朝鮮人民軍の軍装を着用する「敵軍」と戦闘をした。最後に米軍が建物のオフィスに突入し、「敵軍」のリーダーを捕虜した。

 韓国側は、米国と韓国の特殊部隊が常に連合演習を行っていると披露したが、それ以上の詳細を公表するのを断った。分析によりと、米軍が演習画像を公開したのは北朝鮮に軍事的警告を発するためだと見られる。

 北朝鮮は先日「米国が年末までに無核化の交渉に譲歩しないなら、米国に『クリスマスプレゼント』を届ける」と脅した。

 米国太平洋空軍(Pacific Air Forces)指揮官チャールズ・ブラウン(Charles Brown)氏は、北朝鮮が言っている「クリスマスプレゼント」とは長距離ミサイルの発射試験と考えられると示した。

 また、米国防長官マーク・エスパー(Mark Esper)氏は12月20日に、米軍は即応性の高い戦争予備態勢を備えており、必要に応じていつでも戦闘できると記者に示した。

 米朝関係の緊張感はますます上昇し、世界から注目されている。12月初旬、韓国メディアの報道によると、米軍の偵察機が朝鮮半島の上空に現れることが多発した。12月6日にまた2機の米軍RC -135偵察機が韓国東部海域及びソウル上空に現れた。報道によると、2機の米軍偵察機が同時に朝鮮半島の上空に現れることは非常に珍しいことという。

 それに対し、ヨンハプニュース(聯合ニュース、大韓民国を代表する通信社である)が米国太平洋空軍司令今週金曜日の発言を引用し、最近朝鮮半島の周辺に行われた監視飛行は常規飛行の一部であると示した。また、今回の監視飛行は北朝鮮の軍事挑発との関係に関しては同空軍司令がノーコメントという。

 今回の行動はワシントンとピョンヤンとの間の核兵器に巡る交渉がうまく行かない状態との背景で行ったという。米国のトランプ大統領は火曜日、さらに必要であれば北朝鮮に軍事力を使用する選択肢もあると暗示した。

米、韓の空挺兵の演習:

米、韓の特殊部隊が目標の建物で北朝鮮の指導者を拘束する模擬映像:

(翻訳・Jerry)