2023年に入っても、中国経済は低迷が続き、回復の兆しが見えず、多くの企業が倒産し、全国で広がっている失業の波と相まって、社会の不安定要素が劇的に大きくなった。

 中国財政部が先週発表したデータによると、今年1月から2月まで、全国の一般公共予算(日本の一般会計に近い)は前年同期比1.2%減の4兆5600億元(約87.7兆円)で、全国の税収収入は前年同期比3.4%減の3兆9400億元(約75.8兆円)であった。主要な税収のうち、消費税は前年同期比18.4%減、輸入品の付加価値税と消費税は21.6%減となったという。

 これに対して、時事評論家の郭宝勝氏は「これらのデータは、中国経済と消費が急激に萎縮していることを示している。政府の収入が減少し、国民の収入も減少しており、各業界で非常に低迷している」と指摘した。

 中国のネット上ではこのほど、不況下の人々の生活を映した動画が多く投稿されている。

 仕事が見つからず、深センの街で野宿している人たちの姿が映っている動画があれば、上海で300元(約5770円)のために列をなして、売血する大量の失業者の姿が映っている動画もある。また、一部の若者は、空港の待合室、24時間営業のマクドナルドで、前のお客が残した紙コップを利用して、コーヒーを無料でお代わりする方法など、失業状況下で無料の宿泊施設や食事を探すためのガイドを共有している。

 そのほか、四川省、河南省ではこのほど、建設工事がいつまでも終わらない未完成ビルを買ってしまった市民が、政府庁舎の前に集まって抗議している事態が起こっている。

(翻訳・吉原木子)