2023年に入ってから、失業の波が中国全土に広がり、多くの人が自撮り動画を撮り、仕事探しの難しさを訴えている。更に、中国では今年、また1千万人以上の大学生が就職に直面している。

 中国人力資源と社会保障部のデータによると、2023年度の大学・専門学校卒業者数は1158万人に達し、そのうち北京は約28万5000人で、いずれも過去最高を記録した。中国教育部の統計によると、2022年の大学卒業者1,076万人のうち、約7割がまだ就職できていないという。

 若者の失業は中国政府が直面する非常に深刻な問題だ。中国の都市部の若者の失業率は、新型コロナの大流行が発生する前から13%と非常に高く、ピークに達する2022年7月には、15 ~ 24歳の都市部の若者の5分の1近くが失業状態にある。中国メディアでは、「卒業=失業」という報道をよく見かける。

 若者が就職できないだけでなく、仕事を持っていた多くの人も、外国企業の撤退と市場の萎縮によって、職を失っている。深センで働いている程さんは、「うちの工場では50人を募集していたが、わずか2日で満員になった。うちの工場は家具加工工場で、粉塵がとても多くて、汚くて疲れるし、辛い仕事なのだ。今は仕事が探しにくくて、工場の状況もよくない。注文が来ない、中国の経済は本当に少し問題があるかもしれない。深センの塩田港では、貨物がないため、多くのコンテナ車は停まっている」と述べた。

 これに対して、米サウスカロライナ大学の教授で経済学者の謝田氏は「多くの工場が倒産し、多くの企業が中国を撤退し、この失業の波が更に多くの人に影響する。労働者の収入が低くなれば、消費も低下する。それで、飲食業など多くの関連産業も続々と倒産していく。今、中国の失業の問題は非常に深刻で、中国の経済は衰退しており、高い失業率はこれから少なくとも1、2年続くと考えられる。経済発展を良くする原動力が見えず、問題は人々に希望が見えないということだ」と述べた。

(翻訳・吉原木子)