中国は世界最大の石炭消費国である一方、豪州はインドネシアに次ぐ世界第2位の石炭輸出国です。豪州は発電用の一般炭と製鉄用の原料炭の両方を輸出しています。2022年5月にスコット・モリソン氏の後任としてアンソニー・アルバネージー氏が首相に就任して以来、中国と豪州は外交関係の改善を図ってきました。今回、中国政府が豪州産石炭の輸入禁止を事実上解除したことは、両国の関係改善の動きの一環と見ることもできますが、共産党が主導する中国が現在、ここ30年みられなかった経済的困難に陥っていることも明らかです。