菊池容疑者と上海中山病院(Szalai.laci, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 NPO法人「難病患者支援の会」の理事長である菊池仁達容疑者は、海外での臓器移植の違法な仲介を行ったとして、2月7日に東京警視庁に逮捕されました。これは、臓器移植の仲介として逮捕されたのは日本で初めてです。

 警察がこれまでに発表した菊池容疑者の主な犯罪行為は、中央アジア諸国での臓器移植の違法な仲介に限られています。しかし、「難病患者支援の会」の過去5年間の事業報告書を見ると、2017年6月から2020年5月までの3年間における唯一の業務対象国は中国のみで、3年間の事業収入は8800万円となっています。これは直近5年間の事業収益の61%を占めています。

NPO法人「難病患者支援の会」平成29年度事業報告書(一部)

 また、「難病患者支援の会」のホームページによると、菊池氏らは、国際医療界が臓器移植ツーリズムの禁止を提唱するイスタンブール宣言を知っていながらも、この人権宣言を完全に無視し、同宣言が出された後も10年以上にわたって臓器移植ツーリズムの仲介活動を続けてきたことがわかります。

 「難病患者支援の会」のホームページには、中国上海市の上海中山病院(復旦大学付属病院)に日本人患者を紹介し、臓器移植を受けさせたという内容が書かれています。「難病患者支援の会」のウェブサイトでは、上海中山病院について以下のように説明しています。

 「1936年開設:ベッド数1080床の総合病院です。各種(腎臓・肝臓・肺・心臓)移植の実績に於いて中国トップクラスであることを世界中の外科医が認めている最先端の医療機関です。中国で移植を受けられた日本人の半数以上の方が、この上海中山医院で手術を受けられています。現地日系企業の多くが駐在員及びご家族の病気や怪我などの救急病院として指定されています。」 

 中国で臓器移植を受ける日本人の半数以上が上海中山病院で手術を受けていることが、上記の記述で強調されています。

上海中山病院の紹介(NPO法人「難病患者支援の会」のホームページより)

 2006年3月16日、米国ニューヨークに本部を置く国際NGO(非政府組織)「法輪功迫害追跡国際組織(WTOIFG)」(略称「追査国際」)の調査員が上海中山病院に対して行った電話調査によると、上海中山病院の肝臓移植センターのスタッフは電話で、上海中山病院が行う臓器移植のドナーはすべて法輪功学習者であると明確に認めたとのことです。しかも、手術の待ち時間はわずか1週間であるといいます。これは、上海中山病院が必要に応じて随時に人を殺して臓器を採取できることを意味します。

以下は録音された電話の内容です。

 問:こんにちは、中山病院ですか?
 答:そうです。移植部門です。
 問:肝臓移植センターですか?
 答:はい、ご用は?
 問:問い合わせたいことがありますが
 答:待ってください。
 医者:もしもし
 問:お医者さんですか?移植手術はできますか?
 医者:できます。
 問:どのぐらい時間がかかりますか?
 医者:来てから一週間でできます。
 問:法輪功を修煉する人の臓器は提供されますか、このような臓器はとても良いと
  聞きましたが・・・
 医者:ここは全部このようなものを使ってます。
 問:おー、身体は健康で、みな法輪功を修煉した人、臓器は新鮮ですね。何時間以内ですか?
 医者:24時間以内で大丈夫です。我々は普通10時間以内に収めています。
 問:どこに連絡したらいいか、情報を提供してください。
 医者:これは裁判所に連絡しなければならない。
 問:あなた達は外のところで探したのですか、それとも現地でもありますか?
 医者:どちらでもあります。
 問:現地も外も皆ありますか?
 医者:ええ。 

 NPO法人「難病患者支援の会」のホームページには、2015年4月13日付で「帰国後の治療と法令」と記されたページに、以下の文章が掲載されています。 

 「ドナーに付いては当事国の法令に従い医療機関が手配しており私どもは臓器の出処に一切関与していない。また手術費用の項目にもドナーに関する費用は無く、臓器代金として支払った経緯も事実もない。まして患者がドナーと接触することは一切ございません。」 

「帰国後の治療と法令」というウェブページ(NPO法人「難病患者支援の会」のホームページより)

 明らかに、「難病患者支援の会」のメンバーはドナーの出所が疑わしいことを知りながら、当事国の法律の規定に従うことを口実にして、ドナーの出所が正当なものかどうかには一切関知しないことにしています。また、ドナーが法輪功学習者であれば、当然ながら臓器代が発生しなく、患者が臓器代を支払う必要はありません。

 特に注目すべきは、「難病患者支援の会」が「患者はドナーとの接触はない」と主張していることです。臓器のドナーが死体であれば、患者がドナーと接触しているかどうかという話はないはずです。患者は手術の前にドナーである死体がどのようなものであるかを確認するのでしょうか? ドナーが生きている人の場合のみ、接触があるかどうかという問題が生じるのです。したがって、「難病患者支援の会」が中国で仲介していた臓器移植のドナーは、生きている人間であることの疑いがあります。

 以上のことから、菊池仁達容疑者をはじめとするNPO法人「難病患者支援の会」の他のメンバー、及び上海中山病院で臓器移植手術を受けた患者たちは、中国で発生している臓器収奪の犯罪と関連しており、少なくとも殺人という犯罪について内情を知っているのではないでしょうか。

(文・黎宜明/翻訳・藍彧)