王立強(写真撮影:看中国)

 11月23日、オーストラリアの複数のメディアが衝撃的な報道をした。先月、オーストラリアに滞在していた王立強と名乗る中国共産党のスパイがオーストラリア保安情報機構(ASIO)に重要な資料を渡し、「私は一連の諜報活動に参加した」と言った。彼はオーストラリアのテレビチャンネルNine Network(ナイン・ネットワーク)のインタビューを受けて、彼がかつての参加者の一人として、中共がいかに金銭で買収し、利益で誘惑し、重要人物を脅迫することで民主主義社会に大々的に浸透してきたのかを、公にした。中国共産党諜報機関の重要諜報員が亡命したことにより、中国共産党の海外での浸透の影響力は再び世論の焦点となった。

 王立強氏は小さい時から絵画が好きで、十数年の絵画練習の末、ある美術学院に合格した。彼は2回全国的な美術展覧会に参加して何度も受賞した。その後、諜報員としての教育を受け、スパイ活動を始め、香港及び台湾への浸透と諜報工作、香港の民主運動のコントロール及び台湾の選挙を背後で操ることに直接関与した。また、香港銅鑼湾書店の店主拉致事件にも関与したことが明らかになった。

 王立強氏は、彼が所属する香港企業「中国創新投資(China Innovation Investment Limited)」が事実上の中国軍の情報機関であり、台湾に浸透して総統選挙に介入したことを告発した。また、中国創新投資の代表取締役、社長・向心が台湾総統候補の韓国瑜(現・高雄市長)に2000万中国元の選挙資金を提供したことなども言及した。このニュースは中国大陸、台湾及びオーストラリア各界に衝撃をもたらした。

 10月16日、ツイッターのユーザー「Breaking News」が中国共産党に関する秘密の情報を公開した。現在海外に移民した元中国共産党秘密ファイルの管理者によると、香港と台湾にいる有名人の中には中国共産党党員がいる。このツイッターによると、台湾高雄市市長である韓国瑜は、2002年中国共産党に加入した。

 台湾政府は11月24日、桃園空港で中国創新投資の代表取締役、社長、王立強氏の元上司でもある向心と龔青夫婦の身柄を拘束した。26日未明に台北地検から「重大な突破」があったとの知らせが入った。「王立強は知らないし、王立強も会社の職員ではない」と向心と龔青は繰り返し弁解していたが、王立強氏との写真を見せた後、慌てて言い直した。

 信頼できる情報源によると、オーストラリア、アメリカ及び台湾の保安情報機構は王立強が提供した情報を確認し、大部分が真実だと判明した。オーストラリア政府は、王立強が中国に帰った場合に生命の危険があるため、現在王立強を保護している。

(翻訳編集・柳生和樹)

One thought on “中共スパイ王立強亡命事件の振り返り

Comments are closed.