西塘鍾介福薬局(Gisling, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 中国の多くの省・市では最近、風邪薬や解熱剤、COVID—19抗原検査キットの購入に殺到している。肺疾患用の漢方薬まで品薄になっており、製薬メーカーの株価が大幅に上昇している。

 中国電子商取引大手「京東商城(JD.com)」傘下の「京東ヘルス(JD Health)」が発表したデータによると、11月28日から12月4日までの1周間で、中国国内のCOVID—19抗原検査キットの売上高は前周に比べて344%も増加した。また、中国の医薬品ネットショップや薬局、製薬会社の売上高も、最近急増している。

 台湾のニュースチャンネルTVBSは、北京市政府が解熱剤や抗ウイルス剤を購入する際に実名登録が不要になると発表した後、北京市内では、関連薬物の駆け込み需要が発生したと報じた。医薬品購入制限解除初日(5日)には、ネット薬局も実店舗も、主にウイルス性風邪を治療する「連花清瘟カプセル」とCOVID—19抗原検査キットはあっという間に売り切れになった。

 ある北京市民はインタビューで、「最初はネットで『連花清瘟カプセル』を買おうとしたが手に入らず、ある薬局で売っていると聞いて慌てて買いに行ったが、その店も売り切れていた。今は他にどこで売っているのかわからない」と語った。

 ボイス・オブ・アメリカの記事は、この状況に対する分析では、中国では最近、当局の過剰な防疫に対する不満で、人々が自発的に「白紙革命」抗議デモを起こした後、中国共産党は国民の不満を鎮めるために、関連する防疫措置を緩めることを次々と発表したが、関連政策の支援措置が不完全で混乱しており、国民が油断できない状況にあると指摘した。また、中国当局はこれまで、オミクロン変異株の危険性を繰り返し強調してきたが、当局が今、突然論調を変え、国民が疑念を抱くのは当然であり、自分の身の安全を守るために、薬物を買いだめしているのだ。

(翻訳・吉原木子)