インドネシアの国民議会(パブリック・ドメイン)

 インドネシア国会は6日、数十年にわたって審議検討されて来た刑法改正案を可決し、国民が共産主義関連の活動に従事することを厳禁した。

 インドネシア国会は6日、刑法改正案を反対意見もなく可決した。インドネシアの国会議員は、この改正案は数十年も前から審議検討されていたもので、この法律の可決はインドネシア(オランダ)の植民地時代の古い刑法の更新と改訂が切望されていたものであると述べた。

 この改正案は、マルクス主義やレーニン主義に関連する組織的な活動に関与した国民は、10年の禁固刑、共産主義を広めた場合は4年の禁固刑に処すると規定している。また、現職の大統領、副大統領、国家機関、国家イデオロギーに対する侮辱も禁止されることになった。この改正案は、施行規則の作成に十分な議論の時間を確保するため、2025年に施行される予定だ。

 また、改正案では、インドネシアにいるすべての人、自国民・外国人を問わず、結婚前の同棲や宗教の教えに背く行為を認めず、避妊を広めることを禁止するなどが規定されている。

 報道によると、インドネシアでは共産主義は長い間、タブー視されてきたという。1960年代にインドネシアで起きた共産主義者によるクーデター未遂事件と、その後の反共産主義者による虐殺事件は、インドネシア社会に大きな影を落としている。その後、インドネシア政府は共産主義禁止令を公布し、国民の共産主義への参加や伝播を厳禁した。

 現職のジョコ・ウィドド大統領は、Tシャツの印刷、共産主義のシンボルの掲示、関連映画の上映など、いかなる形であれ共産主義のイデオロギーを広めた者に対して法的措置を取るよう法執行機関に要求している。また、1966年に公布された共産主義禁止令とインドネシア共産党の解散決定は、現在も有効である。

(翻訳・藍彧)