品のあるコーヒー(パブリック・ドメイン)

 日常生活において、気持ちをリフレッシュするためにコーヒーは欠かせません。新しい一日の始まりに、世界中で約10億人が毎朝一番にコーヒーを飲んでいると言っている医学の専門家もいます。

 しかし、品のあるコーヒーは、もはや目を覚ますためだけのものではなく、ゆっくりと味わい、ゆっくりと愉しむライフスタイルの一つとなっています。今回の文章で、コーヒーに対する見方が少し変わるのではないかと思います。

品のあるコーヒーを飲むことのメリット

 幼い頃からすがすがしい香りを楽しむ「お茶文化」の薫陶を受けたアジア人にとって、渋みや苦みの濃厚な西洋の「コーヒー文化」に違和感を覚える人もいるかもしれません。「カフェイン」について話が及ぶと、あたかも大敵であるかのように言う人も結構います。「コーヒーを飲むことでカルシウムが失われやすくなり、骨粗鬆症になりやすい」というレポートは、コーヒーの良いイメージに疑問を投げかけています。では、コーヒーは健康にどのような影響があるのでしょうか?

 実際、コーヒーには、心臓血管、腫瘍、消化などの面において身体に対する思わぬメリットがあります。

癌の予防

 コーヒーにはポリフェノールなどの強い抗酸化物質が含まれています。毎日コーヒーを飲むことで、癌の予防になるだけでなく、癌の治療にも一定の効果があります。

肝臓を護る

 コーヒーに豊富に含まれるポリフェノールには、肝臓を保護する働きがあります。専門家は、肝炎患者に毎日コーヒーを飲むように勧めています。これは、肝細胞の修復にも役立つからです。

 さらに、コーヒーは肝臓の滋養になるだけでなく、酔いを醒ますこともできます。コーヒーの中のクロロゲン酸はアルコール中毒を起こさないようにする働きもあります。

2型糖尿病(生活習慣病)を予防する

 コーヒーを飲む人の中に2型糖尿病の発症率が低いことが、多くの研究で示されています。これは、コーヒーに含まれる物質が腸内のブドウ糖の吸収を減少させることができるからです。

消化を助ける

 お肉をよく食べる人は、食後にコーヒーをお勧めします。これは余分な脂を溶かし、消化を助ける働きがあるからです。また、コーヒーに含まれる水溶性食物繊維の含有量はオレンジジュースよりも多く、カフェインは腸を刺激して蠕動運動を促進する働きがあるため、便秘解消の効果があります。

うつ病を防ぐ

 コーヒーを飲む習慣のある人の多くが、飲んだ後にリラックスした気分になり、イライラする気持ちが軽くなるのを感じています。心臓血管の専門家も、気分がイライラしたり落ち込んだりしている時に、コーヒーを飲むことで心を落ち着かせる効果があると指摘しています。

「運動のお伴」として

 米国のジョージア大学の研究によれば、運動後にコーヒーを飲むことで筋肉痛が和らぐことがわかっています。

おいしいコーヒーを味わうために欠かせない2つのステップ

 さて、コーヒーを飲むことのメリットを見てきて、コーヒーを飲んでみたいと思われているあなたに、コーヒーをよりおいしく味わうために欠かせない2つのステップをお教えします。

STEP1:香りを嗅ぐ

 コーヒーを味わう時は、あわてて口に入れないでください。これは、淹れたてのコーヒーは、私たちの口内温度と同じではないからです。そのため、淹れたてのコーヒーは急いで飲まず、軽くコーヒーの香りを楽しんでみてください。
香りを嗅ぐだけでなく、色も観るとよいでしょう。色を観るとは、コーヒーの表面に見られるアロマ(香り)と呼ばれる霧のような部分を鑑賞することです。このアロマこそ、良いコーヒーの香りの元です。

STEP2:一口すする

 コーヒーの温度が少し下がり、口内温度に適して来たら、一口ずつゆっくりと、コーヒーをすすってみてください。コーヒーの鮮度が十分であれば、「熱め」から「ぬるめ」まで、温度の段階的な変化によって、コーヒーの状態の違いがとてもはっきりします。最後の一口まで、温度の違いがあっても口当たりもよく、コーヒーの香りと口の中に広がる甘みが十分に楽しめます。

コーヒーを飲むときの注意点

 もしコーヒーに砂糖やミルクを加えたい場合、先にミルクを入れてください。これは、コーヒーが十分に新鮮であれば、最初に砂糖を加えるとコーヒーが酸っぱくなりやすいためです。

 コーヒーと相性の良いスイーツを選ぶ場合、油っぽいものは避けた方が無難です。

 また、コーヒーを入れるカップは保温性が高いものがよいでしょう(できれば磁器素材がよい)。特に熱いコーヒーを飲む前に必ず「カップを温める」、つまり、先に熱湯をカップに注ぎ、カップが温まったら、その熱湯を捨て、その後コーヒーをカップに注いでください。この手順を省略すると、カップとコーヒーの温度差によってコーヒーの味が変わってしまうことがあるからです。

 飲み終えた後は、カップをすぐにきれいな水ですすぎましょう。この過程では洗剤を使用する必要はありません。代わりに、「コーヒーかす」を使ってカップを軽くこすって、汚れを落とすことができます。シンプルでしかもエコな方法です。

 以上、コーヒーに関することをいくつか紹介しました。普段缶コーヒーを飲み慣れている方も、さっそくお好みで味わいのある一杯を淹れてみてはいかがでしょうか。

(翻訳・夜香木)