ウクライナにおけるウクライナ語を母語としている人口 (Lvivske, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 ロシアによるウクライナの侵略戦争が7カ月以上続き、ロシアはウクライナ東・南部4州の一方的な併呑に踏み切る。親ロ派勢力が実施した27日までの「住民投票」で賛成が多数だったと正当化する。第二次世界大戦後、ヨーロッパで最大規模の強制的な併呑となる。また、ロシア側は現在戦況が不利であるため、米国はロシアが小型核兵器を密かに使用することを懸念している。

 ロシア大統領府のペスコフ報道官は「住民投票」を強行したウクライナの4つの州について、ロシアに併合するための調印式を30日に開催すると明らかにした。

 英国のガーディアン紙は29日、これは第2次世界大戦後、ヨーロッパで最大規模の強行併呑になると報じた。ウクライナ東部のルガンスク、ドネツク、南部のケルソン、ザポロジエの4 つのロシア占領地域は、総面積が9万平方キロメートル以上、人口は約400万人。ロシアが2014年3月のクリミア半島併呑を合わせてウクライナの領土の2割を占めることになる。

 ロシアによるウクライナの侵略戦争は現在、膠着状態に陥っており、ウクライナ側が優勢になりつつあるため、米国はロシアが小型核兵器を密かに使用することを懸念している。

 モスクワで発行されている英語の日刊紙「ザ・モスクワ・タイムズ」によると、27日に匿名の米当局者5人は、米国と他の同盟国は、ロシアによる小規模な核攻撃をタイムリーに発見できないことを懸念しているという。ロシアは魚雷やミサイルなどのほとんどの武器に核弾頭を装着することができる。このような可動式な戦術核弾頭は、発射準備が整うまでに明らかな信号を発しないため、発見されにくい。

 アナリストによると、ロシアはウクライナの4つの地域を併合した後、ウクライナの再び領土を奪還するのを避けるために核攻撃を開始する可能性があるという。匿名の米国当局者によると、クレムリンが自発的に発表しない限り、ロシアがいつ通常の弾薬を核兵器に置き換えるか永遠にしることができないかもしれないという。

(翻訳・藍彧)