政府治安部隊の前でヒジャブなしで踊るイランの女性たち(ツイッター動画のスクリーンショット)

 イランで髪を隠すための「ヒジャブ」のつけ方が適切でないとして拘束された女性、マフサ・アミニさん(22)が突然死亡し、抗議デモがイラン全土に広がり、情勢がエスカレートしている。

 マフサ・アミニさんは9月13日、イランの首都テヘランで、女性に義務付けられている髪を覆う「ヒジャブ」の着用を巡り逮捕された3日後に病院で死亡した。

 イラン当局は、マフサさんはテヘランで警察に拘束されている間、不当な扱いは受けていない、「心臓発作によるもの」としている。

 その後、マフサさんの父であるアムジャド・アミニさんは、当局が娘の本当の死因を隠すために嘘をついたと非難した。

 アムジャドさんはBBCのインタビューで、娘の検死報告書を見ることは許されなかったとし、健康状態に問題はなかったと述べた。検死報告書の閲覧を求めたところ、医師は「私が望むものを何でも書くことができる。君とは関係ない」と言い放った。

 政府に対する抗議活動は激化しており、抗議デモは数十都市に広がっている。テヘランやその他の都市で警察署や車が放火されるなどの事態に発展。国内メディアは22日に288人が逮捕されたと報じた。

 イランの人権団体23日の報道によると、これまでに全国で行われた抗議行動で、政府治安部隊が抗議行動を鎮圧するために発砲し、少なくとも50人が死亡しているという。

 ネットユーザーが投稿した動画には、イランのある都市でデモ隊が政府の治安部隊の車両に火炎瓶を投げつけ、数台の車を炎上させ、すぐに走り去って逃走する様子が映っている。

 情報筋によると、イランから米国に亡命したパーレビ皇太子妃は、イラン軍に対し、イラン当局の命令に従って自国民を殺害しないよう促したという。現在、すでに一部の治安部隊と軍関係者が寝返りを打っている。

 動画では、24日にイラン北部のタブリーズで行われた抗議デモに、一部の警察官や治安部隊が抗議デモに加わっている様子が映っている。

https://twitter.com/i/status/1573780828315787264

(翻訳・藍彧)