中国の輸出入商品取引フェア コンプレックス(H2NCH2COOH, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 かつて中国の製造拠点と呼ばれた広東省東莞市(とんかんし)では、受注が激減し、閉鎖や長期休暇をとる企業が相次いだ。同じく中国東部の製造・輸出拠点である浙江省義烏市(ぎうし)では11日から3日間、市民の移動や企業活動を制限すると発表した。

 広東省東莞市の多数の民間企業が、感染拡大と当局の厳しい防疫政策により、8月末までに閉鎖することを決定した。

 中国の老舗玩具工場である東莞凱山玩具有限会社はこのほど、コロナ禍で受注が激減し、毎月の給与を期限通りに支払うことが難しくなったため、「8月19日」に正式に廃業し、従業員を解雇することを決定したと発表した。

 また、東莞市捷盈精密金属製品有限会社は「8月31日」に正式に生産を停止し、閉鎖することを決定した。同社が発表した通知には、「新型コロナウイルスの発生以来、操業と生産の維持や従業員の生活を守るために努力してきたが、5月から注文が激減し、会社の経営が困難になり、人員も維持できなくなり、生産停止と廃業を余儀なくされた」と書かれていた。

 中国の製造拠点である東莞市の多くの工場が閉鎖された一方で、中国東部の製造・輸出拠点である義烏市は感染再拡大で新たな行動制限やロックダウン(都市封鎖)措置が導入された。

 ロイター通信によると、中国では11日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、複数の都市で新たな行動制限やロックダウン(都市封鎖)措置が導入された。東部・浙江省の主要輸出・製造拠点である義烏市は11日から3日間、ほとんどの住民に指定地域にとどまることを義務付けるほか、一部住民に自宅で過ごすよう求めると発表した。

 エコノミストの中には、すでに苦境に立たされている中国経済にさらなる打撃を与えることになるだろうと指摘する人もいる。

 ロイターは5日、中国の輸出の伸びが引き続き鈍化する可能性があると報じた。

(翻訳・藍彧)