「問天」を搭載した「長征5号B」キャリアロケット(YouTube動画のスクリーンショット)

 中国海南省の文昌衛星発射センターから北京時間7月24日14時22分に、宇宙ステーション「天宮」の実験モジュール「問天」を搭載した「長征5号B」キャリアロケットを打ち上げた。しかし、長征5号Bロケットの残骸の落下問題について、注目を集めた。

 公式メディア新華社は、実験モジュール「問天」が7月、「夢天」が10月に打ち上げられる予定で、昨年4月に打ち上げられたコアモジュール「天和」 とドッキングした後、T字型を基本構造とする宇宙ステーション「天宮」の建設を年末までに全面的に完了すると報じた。

 しかし、ニューヨーク・タイムズやドイチェ・ヴェレなどの海外メディアは、コアモジュールと実験モジュールの打ち上げに使用される長征5号Bロケットが、2020年春の初飛行以来、しばしば議論を呼んでいると報じた。

 記事は、2020年に長征5号Bロケットの初打ち上げ後、ブースターがアフリカ西部上空で大気圏に再突入し、残骸が西アフリカのコートジボワール共和国の複数の村の建物を破損する事故が発生したことを例に挙げた。

 2021年、長征5号Bロケットの2回目の打ち上げ後、ブースターの残骸がモルディブ近海のインド洋に墜落した。幸いにも、2度とも人的被害はなかった。

 アメリカ航空宇宙局(NASA)のビル・ネルソン長官は、声明で中国を非難した。 彼は、中国が宇宙ゴミの処理において責任ある基準を満たさないことを非難した。

 米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)の天文学者ジョナサン・マクダウェル氏は、ロケットの設計が変更されていなければ、最後の残骸はブースターの軌道に沿って、北は41.5度、南は41.5度まで、どこにでも落ちていただろうとニューヨーク・タイムズ紙に語った。

(翻訳・藍彧)