(看中国合成写真、中華民国国防部より)

 中国海空軍は2日夜から実弾を使った軍事演習を始めた。4日から、台湾を取り囲むように6カ所で同時に軍事演習を開始した。ペロシ氏が台湾を離れても演習を続け、台湾海峡は最も緊迫した状況にある。

 ペロシ米下院議長の飛行機が2日、台北の松山空港に着陸したわずか数分後、中国共産党の新華社通信は4日から7日まで台湾周辺の海域と空域で実弾演習を実施すると発表した。

 中華民国(台湾)国防部は3日夜、同日に27機の中国軍機が台湾を攪乱し、うち22機が台湾海峡の中間線を越えたと発表した。中国軍機は台湾海峡の中間線を越えた後、引き返して海峡の中間線の西側を飛行し、この飛行パターンで挑発・撹乱を繰り返した。台湾を軍事的に威嚇するために、複数の軍用機で台湾海峡の中間線を越えるのは近年3度目である。

 中国軍は4日から台湾を囲むように6カ所で同時に軍事演習が行われ、その範囲は高雄港からわずか20キロメートルしか離れていない。7日まで船舶や航空機の進入を禁止した。複数の水域が台湾の領海と重なっているとの指摘があった。

 台湾メディアは、中国軍の演習は台湾のいくつかの主要港を封鎖するだけでなく、バス海峡、さらには台湾の一部の国際航空路も軍事演習の範囲にあり、まるで中国軍が台湾を封鎖する軍事演習であると明らかにした。これは、台湾の対外貿易に深刻な打撃を与え、ロシアのウクライナ封鎖の再現に等しい。

 個人メディアの馬聚氏は、「これは恐ろしいことだ。上陸準備の構えだからだ。プーチン氏がウクライナを支配する能力がないように、中国共産党も台湾に上陸する能力がない。しかし、中国共産党は台湾をずっと混乱させる状態にすることができる」とみている。

 オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のネイサン・ルザー研究員は、中国軍が台湾の主権水域で実弾演習を行うことは、ここ数十年で最も挑発的な動きであり、国連が定義する「国家侵略」行為に合致すると述べた。

台湾を囲むように6カ所の中国軍の軍事演習:

(翻訳・藍彧)